[No.612] 非民主的な小沢・民主党の国会運営ー鳩山内閣の強行採決ーその裏には疑惑隠し

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鳩山内閣初の法案採決がなんと強行採決

20日午前1時、鳩山内閣は最初の法案をなんと強行採決しました。

採決したのは中小企業返済猶予法案。我々公明党も決して反対している法案ではありません。但し、返済猶予を受けた中小企業に銀行が新規融資を渋るのではないかといった不安があるのも事実。よって、公明党は迅速かつしっかりとした審議に協力して参考人からの意見聴取を含む毎日の委員会開催に賛成し、20日の審議後の採決に合意してきたのです。

しかし、民主党の玄葉委員長は、我々の質問権を奪い、19日午後1時、たった8時間の委員会質疑で勝手に採決し、20日未明の本会議の強行採決に及んだのです。


その裏には小沢幹事長裏献金の疑惑隠しか

何故、民主党は急に方針転換したのか。それは、19日の産経新聞と東京新聞の一面に、小沢幹事長の新たな偽装献金が報道されたからです。これは、5年前の04年、岩手県の胆沢(いざわ)ダムの下請け工事80億円の受注の見返りにゼネコン中堅の水谷建設が小沢一郎側に少なくとも5千万円を献金していたというものです。しかし、政治団体・陸山会の収支報告書にはその記載がなく、全くの裏献金です。情報の出元は、水谷建設の水谷会長が法人税法違反で逮捕され、東京地検特捜部の事情聴取で供述したということです。

「民主主義的プロセス」の破壊者

この記事が19日朝の新聞で報道されるや、国会での追及を恐れ、小沢幹事長が、無理やり国会を「不正常化」させ、野党の質問機会を奪ったのです。こんな暴挙が許されるでしょうか。

小沢一郎という人は、民主主義的な議論・プロセスを無視する、元来「非民主主義的」な人です。細川内閣時代に、当時の斉藤次郎大蔵次官(なんとこの人が日本郵政の社長に天下ったのです)と組んで、党内で議論をさせず一晩で「国民福祉税構想」を発表させたのは有名です。公明党はこのような「非民主主義的」な手法に我慢がならず、13年前に袂を分けたのです。

今回の強行採決。自民党、共産党、みんなの党、他の野党も糾弾しています。共産党のある議員によれば、「こんなひどいやり方はさすがの自民党もしなかった。まだ自民党は聞く耳を持っていた。しかし今の民主党には耳自体が無い」といっています。これが民主党の言う「政治主導」なのでしょうか。もはやこれは「政治主導」ではなく、「政治ファッショ」です。国会という言論の府を、単なる承認機関にしようとする「言論の府の死滅」です。なんと菅直人国家戦略大臣は「憲法のどこにも三権分立と書いていない」と言ったそうですが、国民は今回の政権交代で、「国会の形骸化」、「二権分立」を選択したのでしょうか。

最後の手段である「委員会欠席」という自民と公明による強硬抗議に対し小沢幹事長は惧れをなし、急遽、あまり審議時間をかける必要もない「公務員給与法」の慎重審議を指示したそうです。しかし、本来慎重審議が必要だったのは、中小企業返済猶予法案、さらに、ワクチンメーカの責任を国内外で差別する新型インフルエンザ法案ではなかったでしょうか。

政権交代により「変えていいもの」「変えてはいけないもの」

私は、政権交代に反対ではありません。むしろ、我が国の諸制度を抜本的に変えていくためには必要と考えています。しかし、政権交代で「変えていいもの」と「変えてはいけないもの」があるのではないでしょうか。それを鳩山内閣は立て分けていない。「変えてはいけないもの」とは、「民主主義的プロセス」と「憲法9条の解釈」です。これを鳩山内閣、それを操る小沢幹事長は変えようとしているのです。

公明党は、「民主主義的プロセス」と「憲法9条の解釈」を死守してまいります。

政権交代第二幕、国民目線の第三党の出番です。


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