4月15日 子どもたちへのメッセージ(第十六回)の収録を終えて

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第十六回のテーマは「子どもたちと性の問題について」です。性への興味を10代、20代の子どもたちが持つことは、至極当たり前のことですが、学校での性教育が現在、停滞期を迎えている問題があります。それは教育現場における性教育の理念が確立していなく、また性教育自体が全国の学校において時間数などばらつきがあるからです。子どもたちに正しい知識が無いと、結果的に心と体に傷を負う悲しい経験になってしまいます。そうならない為にはどうしたらいいのでしょうか。

■性教育の実態
皆様、こんにちは。参議院議員の浜田まさよしです。本日は「子どもたちと性の問題について」考えていきたいと思います。

現時点では学校の性教育というのは停滞期だと言われています。実はこの性教育は近年、一部行き過ぎた教育もあってそれからバッシングが起こり、国会でも議論が起こりました。都議会でも一部日野市の養護学校でそういう教育があったと批判がおきています。上記の私の発言に加え、水谷さんはむしろ停滞期というよりも「攻撃期」ではないかと指摘しました。例えば性教育の一部で、コンドームの使い方について教えるとそれだけで処分されるケースがたくさんあります。ですが、それ自体が性感染症予防や妊娠予防に最適な手段であることを教えるのは教員の義務です。

実際に性教育に充てる時間は高校だと全国平均で年間3時間程度です。しかしその時間数にもばらつきがあり、多い所では年間35時間で少ないところでは年間0時間のケースもあります。これは性教育自体が、現場の先生の熱心さに任されるという実態だからだと言われています。

■性教育の三本の柱
性教育には三本の柱があると水谷さんは言います。ひとつはコンドームの認識や使い方を含めた完全な知識を覚えさせること。二つ目は、性という営みは二人の間で命を産む行為だという性の重さを教えること。最後に、この国自体大人を含めて性をおもちゃや商品のように扱うというその意識をなくすことだそうです。

確かに前述した全国の教育現場での性教育の時間数にばらつきがあるように、性教育全体の理念というのが十分確立していません。どうしてもハウ・ツーばかり偏りがでてしまい、あまり性の実情を語りたがらず、逆にタブー視さえしてしまう傾向があります。ですが学校の教員がちゃんとした知識を教えないと、子どもたちだけではインターネットやマスコミ報道を通した、間違った性の認識を持ってしまう、そんな危険性があるのです。

■性への関心・誤った知識
あらためて今こどもたちはどこから性の情報を得ているのでしょうか。まず多いのは友人の話から、そして男の子の場合はポルノ雑誌やAVから、女の子の場合はレディースコミックスです。そしてTV越しや紙面の世界が普通だと思ってしまうのです。ここで誰かが是正しないとおかしくなります。

そのような場から得た知識は間違っていることが多くて、例えば男性は精液が体内に溜まると体に悪いと思っている女子が全国で8割以上、男子は女子の排卵は月経中に起こるものでその日以外は安全だと思っているのが6割以上だといいます。

■望まれない妊娠
正しい性知識がないことは本人にも辛い経験になります。現在妊娠中絶件数は2010年で21万件、一日600件のペースです。特に10代の女性の千人あたりの人口中絶率は2001年の13.0をピークに徐々に低下し、6・9まで下がってきていますけれども、十代の母親の人口比率が増えています、またその場合の離婚率が7割以上と非常に高いのが問題です。別途に、この若いシングルマザーへの支援というのも並行して行わなくてはいけません。そうしないと、次にネグレクトや虐待という別の問題に絡んでくる可能性があるからです。

性の問題で悩んでいる子どもたちはたくさんいると思います。水谷さんの元にはさびしい理由で援助交際をやめられないと、悩んでいる子どもたちなどから多くの相談が寄せられているといいます。私自身も、男の子たちは一時の感情に惑わされず、相手の子が愛しているのならば大切にして、責任を持って対応していってほしいと思います。

「子どもたちのメッセージ」は毎週日曜日17:25~40 ラジオ日本AM1422Hzで放送中です。(→番組ホームページ

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