1.独禁法の中での中小企業の位置付け
○ 浜田昌良君
公明党の浜田昌良でございます。
それでは、同僚の松あきら議員に引き続きまして、独占禁止法の改正について質疑をしたいと思いますが、特に私からは中小企業の観点からの質問を幾つかさせていただきたいと思っております。それは、この独占禁止法の目的は、消費者の利益を確保するとともに、やっぱり中小企業事業者の創意工夫を十全に発揮できるような競争環境をつくるということが大きな目的であると考えているからでございます。
それではまず、公取委員会の審査局長にお聞きしたいと思いますけれども、独禁法の運用自体の問題でございますが、過去五年間の課徴金納付命令を受けた中小企業の数、また大企業の数、それはどのようなものであったでしょうか、お聞きしたいと思います。
○ 楢崎憲安 公正取引委員会 事務局審査局長
課徴金納付命令出しまして審判開始請求がなかった案件、納付命令が確定した事件数で申しますと、全体で過去五年間で二千二百十五社、納付命令を受けているところでございますけれども、そのうち中小企業が千八百七十三社、そして大企業が三百四十二社という形になってございます。
ちなみに、金額で申しますと中小企業が約百十億円、大企業の方が約百九十億円と、こういう状況でございます。
○ 浜田昌良君
ただいま御答弁ございましたように、過去五年間の課徴金納付命令を受けた企業数は全体で二千二百十五社で、うち中小企業が千八百七十三社。率で言いますと八五%ぐらいが中小企業であるということでございます。
本来、中小企業の企業数が多いですから、企業が、比率が高いのは分かりますけれども、独占禁止法という本来大企業が問題となりやすい法律の対象企業数を見たときに、中小企業の比率が八割以上であるということをどう評価するかという問題だと思います。
これにつきましてはいろんな意見があると思いますけれども、ある意見では、公正取引委員会は地方の、先ほども出ましたですけれども、中小企業の入札談合の事案を追い過ぎではないかと。むしろ、国際的な問題もありますが、大企業の国際カルテルを含めた事案をもっと積極的に摘発すべきではないかと、こういう意見があることにつきまして、まず御所見をお聞きしたいと思います。
○ 竹島一彦 公正取引委員会 委員長
これは大企業、中小企業問わず、当然、法律でございますから、公平中立に適用されるべきだというのが筋だと思います。統計上、今御指摘のように八割強のものが中小企業になっているというのは、やはり先ほども御答弁申し上げましたが、建設談合事件にかかわっているのが中小企業が非常に多いという現状を反映しているわけでございます。
ただ、じゃ大企業は手を付けてないのかということでございますけれども、そうじゃございませんで、最近は公益事業、例えば電信、電気通信でありますとか、そういう従来規制されてたところが自由化されてきている、そういう分野でありますとか、それから知的財産権に基づいた話で、最近もマイクロソフトとかインテルまで対象にした仕事をやっておりますけれども、それから大規模小売事業者の優越的地位の濫用というようなことで、かなり大きな規模のスーパーマーケットとかディスカウントストアとか等々についてもやっているわけでございまして、私どもとしては、バランスよくというのが意図的にできればよろしいんですけれども、これは事件のないところはしようがないわけでございますが、少なくとも、我々に入ってくる情報が偏っているがゆえにその調査、摘発が偏るということをできるだけ防ぐ必要があるだろうと。
で、もしも御指摘なり世間様の御批判で中小企業ばっかりやっているじゃないかということが当たっているとすれば、なおのこと今回の法律改正によって、密室、情報も漏らさない、かつ証拠も残さないということが往々にして見られる大企業について、きちっとした情報が得られるような手だてが今度の法律の中に、改正の中に盛り込まれていると思っておりますので、そういうことを是非お認めいただいて、情報も偏らないで入ってくるというふうにしたいというふうに思っております。
○ 浜田昌良君
ただいま御答弁いただきましたように、法律は平等に運用するのは当然だと思いますけれども、今までは私も情報の偏りがやっぱりあったのかなと。なかなか密室で行われるカルテルにつきましては、巧妙に行われると公取委員会の方でも情報がつかみにくいと。それが今回、措置減免制度が導入されることによって、より国際的なカルテルを含め大規模な事案が摘発されるということを期待しておきたいと思います。
2.課徴金の引き上げにおける中小企業への配慮
次に、課徴金の引上げについてでございますけれども、課徴金は、従来、その算定率に売上高利益率が使われていたりとか、その趣旨は不当利得の剥奪にあったわけでありますけれども、今回それを超えて引き上げるというわけであります。
従来、今までの率ではなかなかカルテル事案が減らないという背景もあったわけでありますけれども、一方、公正取引委員会では、中小企業に対する優越的地位の濫用、また不公正な取引方法の取締りを一層強化してほしいという要望も寄せられているわけであります。したがって、限られた人員でカルテルを取り締まるためには抑止力を高めると、そういう趣旨では今回の課徴金の引上げは理解できるものだと思っております。
そういう意味では、中小企業においてもその率を上げるべきだと私は考えておりますが、一方では、中小企業にいろいろとまつわるいろんな厳しい状況もあるわけでございまして、結果的には今回、その引上げ幅、大企業に比べて中小企業の課徴金の引上げ幅は低く抑えられるという措置になったわけでございますけれども、まず最初に、そういう措置になった背景、また考え方についてお聞きしたいと思います。
○ 竹島一彦 公正取引委員会 委員長
平成三年の改正で従来の課徴金が引き上げられて、そのときに初めて大企業と中小企業が二つ、二本立ての算定率になりまして、六%、それの半分の中小企業は三%というふうになったわけです。
それを前提に考えますと、今回、大企業は一〇%にさせていただきますので、中小企業は半分の五%というところでございますけれども、この議論の中で、公明党さんもそうでございましたけれども、あるいは自民党さんとの話も、それからそれ以前の関係各界との、商工会議所等との協議の中でも、中小企業を取り巻く厳しい状況があるんだと、したがってそこを特別の配慮をすべきであるという御議論がございました。
そういう御議論を踏まえまして、三%が五%でなくて四%というのが、まあこれは政策的に妥当なんであろうと。中小企業であれば、先ほどほかの先生からもございましたけれども、私どもは支払能力で払えるものは払っていただくというような考え方は取るわけにまいりませんけれども、実際の収益状況等々をかんがみて、三%が五%じゃなくて四%への引上げであっても抑止力としてはそれなりのものがあるだろうというふうに思っておりまして、そういう判断で四%にさせていただいたわけでございます。
○ 浜田昌良君
今答弁いただきましたように、中小企業には、売上高利益率を見ても大企業に比べてまだまだ低いという事情もありますし、またカルテル、談合につきましても巻き込まれてしまうという側面もありますので、そういう意味では、今回の引上げ幅を低く抑えたというのは私は妥当である、適切であると評価をしているわけでございます。
3.不公正な取引方法
3−1.優越的地位の乱用状況
次に、中小企業にとって特に問題な優越的地位の濫用など不公正な取引方法を中心に質問させていただきたいと思いますけれども、平成十五年の独占禁止法研究会報告書によりますと、優越的地位の濫用や不当廉売などの不公正な取引方法については、違反行為による被害が著しく、競争秩序を侵害する程度の大きいものなど一定の行為類型に限定して刑事罰を導入することを検討するということをこの十五年度の報告書には書いてあったわけでございます。
今般の改正では課徴金なり罰則を直接導入という形になっておりませんけれども、実効性の担保としてどのような対策がこの不公正な取引に取られたのかということにつきましては、先ほど話もありましたように、同僚の松あきら議員が四月六日の代表質問で取り上げまして、細田官房長官の方から以下のような答弁があったわけでございます。
つまり、違反行為があると認めた時点で迅速に差止め等の排除措置を命令するという、今までは排除勧告であったものが、今回、今後以降については迅速に排除措置を命令するということを、是非こういう不公正な取引については適用していきたいという明快な答弁があったわけでございます。
そこで、この件についてお聞きしたいんですが、不当廉売や優越的地位の濫用などの不公正な取引方法については、このように違反行為があると認めた時点で迅速に排除措置を命令するという法運用、これを実績をつくることが重要と考えます。そういう意味では、公正取引委員会による不公正な取引への監視体制を今まで以上に強化していただくことが必要だと考えますが、この点いかがでしょうか。
○ 竹島一彦 公正取引委員会 委員長
監視体制の強化ということでございますが、非常に厳しい行財政事情でございますが、我々の人員の増強についてはこれからも努力してまいりたいと思います。しかし、それにはおのずと限界があります。
私どもが今、別な方向でやろうと思っていることは、例えば、大規模小売業者の優越的地位の濫用、納入業者に対する優越的地位の濫用というような問題があるわけでございまして、これらについては、今月中に新しい告示、百貨店に関する告示を改めまして新しい告示を示すと。
そういうことになりますと、具体的に大規模小売事業者にも十分に説明をして、そういう優越的地位の濫用でかくかくしかじかのケースは全部独禁法違反になるんですよということが分かるようなものを書いてございますので、それを周知徹底させることによって未然に防止する。また同時に、物の考え方がそういうことで示されますので、納入業者の方も、団体等もあるわけで、個人としてなかなか言いにくいという事情があっても、組合等とか正に商工会議所等々でこういう話はおかしいではないかということに、言いやすくなってくるだろうというようなことも期待して新しい告示を出そうというようなことも考えておりまして、いずれにしましても、ルールをはっきりさせて分かりやすくして、それに対して、おかしいものはおかしいと言っていただくようなやっぱり環境をつくる必要があるだろうと。
我々の役人だけ増やせば何とかなるという話でもないなと思って、いろいろ工夫をしながら進めていきたいと思っております。
○ 浜田昌良君
別に役人を増やせと言っている趣旨ではなくて、今回せっかく法律の中で排除勧告から排除措置命令という措置に変わって、しかもそれを適用する中で、措置命令違反については罰則が掛かり、また法人重科も掛かるという体制ができているのに、その伝家の宝刀を使わないままではもったいないですよと。それが使えるような体制を是非しっかりとお願いしたいという趣旨でございます。
また、この百貨店告示につきましては、これは重要なことだと思いますので後でまた質問したいと思いますが、それでは、具体的に、その優越的地位の濫用の話が出ましたのでそこに話を移らせていただきたいと思いますが、まず審査局長にお聞きしたいと思いますけれども、この優越的地位の濫用に関して、ここ数年の警告、勧告の件数、また対象業種についてお聞きしたいと思います。
○ 楢崎憲安 公正取引委員会 事務総局審査局長
ここ数年ということですので三年間について御説明いたしますと、十四年度は勧告はなく、法的措置はなく、警告が三件でございます。それから、十五年度におきましては勧告、法的措置が二件でございます。二件でございます。それから、平成十六年度、法的措置が五件で、警告はございません。
そして、対象業種は、これは小売業が中心ということになりますけれども、全国チェーンの大手の量販店、スーパーそれから総合ディスカウンターあるいはホームセンター等の業種にわたってございます。それから、サービス業でホテルについて措置をとっているところでございます。
○ 浜田昌良君
ただいま御答弁いただきましたように、過去三年間では十件が、警告、勧告含めですね、うち勧告が十五年度が二件、十六年度五件という、より重いものが増えてきていると。かつ、対象業種がほとんど大規模小売店関係が多いということであったわけでございます。
いろいろ事案も、個別事案を目を通させていただいたんですが、大手量販店の納入業者に対する優越的地位の濫用については目に余るものがあるのかなと思っております。本年三月九日に勧告されましたある量販店の事案を見ますと、中小企業などの納入業者から二か月間に、本当に事前に合意のない協賛金を三億円、二か月間で集めていると。また、一か月半の間に棚卸しなどの名目で延べ二万四千人もの派遣を強要しているというのが出ておりました。
こういう悪質な優越的地位の濫用に関しては、実質的に、実質的に罰則を強化するべきではないかと考えています。さもなければ、この三億円もの不公正な協賛金とか二万四千人もの派遣労働というのがもらい得になってしまうんじゃないかと考えるわけでございます。しかも、立場の弱い納入業者がなかなか民事訴訟で取り返すというのも実態、今までもできていないというのが実態だと思います。
それで、質問いたしますが、不公正な協賛金に関し、一度排除命令を受けていながら再度不公正な協賛金を取った場合など、同一事業者が優越的地位の濫用に関して再犯を行った場合は措置命令違反として刑事罰及び法人重科を科すことができると考えますが、これについて公正取引委員会のお考えをお聞きしたいと思います。
○ 楢崎憲安 公正取引委員会 事務総局審査局長
通常、勧告をして応諾をして審決を出しますと、当該行為をやめなさいということだけじゃなくて、同様の行為をしないことということを命じてございますので、同じ行為を繰り返し行ったということになりますと審決違反、今度では措置命令違反ということになりますので罰金額、審決、排除措置命令違反として、罰金額が現行法では三百万円ということになりますけれども三億円以下ということに大幅に引き上げられてございまして、そういった罰金の対象になるということでございます。
○ 浜田昌良君
是非、今回の法律によって、そういう優越的地位の濫用について、再犯を犯せばたとえ相手が変わったとしても、それは今回の罰金が引き上げられた、法人重科で三億円という罰金になるんだということを是非積極的に普及、広報していただいて、こういう事態が未然に抑止されるようにお願いしたいと思います。
そういう罰則をより強化していく上では、先ほどお話もありましたような、いわゆるルールをより明確にしていく、行為類型をはっきりさせていくということが重要と考えています。
3−2.百貨店告示の改正の方向
現在は、この大規模小売業者の基本ルールについては百貨店告示というのが適用されているようでありますけれども、これは昭和二十九年に適用された古いものでありますけれども、近年、この大規模小売業者としては百貨店、スーパーのほか、家電、医薬品などの専門量販店とかホームセンター、コンビニエンスストアなど業態が多様化してきています。また、その取引業者との納入形態とか関係につきましても多様な関係になっておりまして、現状の百貨店告示では必ずしも現在の流通実態にそぐわないという批判もあるわけでございますけれども。
そこでお聞きしたいと思いますが、昨年、公正取引委員会におかれては実態調査をされたと思っております。大規模小売業者と納入業者の取引実態はどうなのかということで調査をされたと思いますけれども、そこでの調査の結果によれば、今、現百貨店告示では禁止行為となっていない行為類型でどのような関係が今問題となっているのかについてお聞きしたいと思います。
○ 政府特別補佐人(竹島一彦君)
二月の調査の結果分かりましたことは、協賛金等の負担要請、それから押売販売といいますか、相手が、納入業者が希望しない商品やサービスを買わせるといったことが、現行の百貨店規定では、百貨店業の告示では禁止行為として規定されていない。この二つのタイプのものは今回の新しい告示では盛り込もうと思っております。
○ 浜田昌良君
今御答弁ありました協賛金の供出要請とか商品やサービスの購入要請などについては是非告示に、新しい告示に入れていただきたいと思っておりますけれども、併せて、取引形態をより広げるというだけじゃなくて、対象業種も広げていただきたいと思います。非常にこういう大規模小売店舗関係というのは多様化しておりまして、当初の百貨店、スーパーだけじゃなくて、さっき言いましたように、ホームセンター、専門量販店、またコンビニエンスストアの本部などもあるんですが、今回の告示改正においてはこういう業種の多様性についてはどのように考えられているかについてお聞きしたいと思います。
○ 政府特別補佐人(竹島一彦君)
おっしゃるとおり、多様性にかんがみて拡大しようと思っております。
具体的には、従来は一定の売場面積以上で、百貨と言っていますから一つの単品じゃ駄目だと、複数の物を売っているというようなことで運用しておりましたけれども、そうじゃなくて、従来の売場面積に加えまして売上高百億円以上ということでございますが、単品であろうが何品であろうが、百億円以上のものが対象になると。その結果として、コンビニエンスストアその他、何かに特化したディスカウンター、これらもすべて対象になるというふうに考えております。
○ 浜田昌良君
是非その方向で告示を改正していただきたいと思っております。
3−3.不当廉売
次に、不当廉売について、質問移ります。
事業者の効率性によって達成した低価格で提供するんではなくて、採算を度外視した低価格によって顧客を獲得することは正常な競争手段とは言えません。よって、不当廉売は不公正な取引方法の一つとして禁止されているわけでありますが、そこで、まずお聞きしますけれども、不当廉売事案については二か月以内に処理するという迅速処理というのが今取られておりますけれども、その趣旨はどういうものでしょうか。
また、その不当廉売を取り締まる担当者は、かなり件数が多いんだと思うんですけれども、どの程度配置されているのか、その今後の取組についてお聞きしたいと思います。
○ 政府特別補佐人(竹島一彦君)
二か月以内に処理するということにいたしておりますが、これはやはり、影響を受ける、不当廉売で影響を受ける事業者が中小企業が多いというようなことにも配慮いたしまして、とにかくできるだけ早くしようという結果、まあ一か月であればなおいいんでございましょうけれども、二か月以内に処理をしようという方針でやらせていただいております。
それから、体制でございますけれども、不当廉売の取決めのための職員としては、本局に九名、地方事務所で十一名、たった二十名といえば少ないわけでございますけれども、そのほかに、不当廉売かどうかの調査、現地調査、それから我々が警告なり注意なりした後、是正されていっているかどうかというフォローアップ調査みたいなものもございますが、これらに約三十名の非常勤職員を採用して当たっているということでございます。
これからの体制でございますが、これはやはり実態を見なきゃいけないと思っていますが、ひところに比べると総数では減ってきているのかなと。二、三年前はお酒の不当廉売についても大変な、何千件という申告があったわけです。それからガソリンについてもあったわけですが、さすがこのところ、なくなってはおりませんが、少し、申告件数で見る限り減ってきているかなと思います。
それから、いずれにしても、今回の法律改正もそうでございますが、不当廉売については具体的な情報がいただければきちっと厳正に対処するということを言ってございますので、とにかく事業者の姿勢が正されるということを大いに何とか期待をしたり、我々としてもお願いをしていきたいというふうに思っております。
○ 浜田昌良君
限られた人員かもしれませんが、是非その非常勤職員の方々を使うことによって、実効的な、実効が上がるような不当廉売対策をお願いしたいと思います。
3−4.不当廉売の警告の効果
それで、取られている対策を見ますと、処理の実態は行政指導であります注意というのがほとんどでありまして、これでは事業名を公表されていません。よって、事業者によるモグラたたき状態になっているんじゃないかなという心配もしています。特に、近年では、官公庁の情報システム等の入札に対して、大手企業による一円入札という安値入札も横行していると聞いております。また、平成十三年以降、ガソリン、酒類などについてのガイドラインが公表されて以降については、行為類型がはっきりしましたので事業者名を公表する警告というのが増えてきているのは事実だと思っております。
ただ、これにつきましても、このような事業者名の公表もむしろ安売りの宣伝になっているんじゃないかという批判もあるわけでありますが、そこでお聞きしますけれども、不当廉売の警告の後の価格モニタリング、これ、されているとお聞きしたんですが、その調査結果によると、警告の効果はいかがなものなんでしょうか。
○ 政府参考人(楢崎憲安君)
私ども、警告したら警告しっ放しということじゃございませんで、その後の価格動向をモニターしているわけでございますけれども、例えば平成十五年三月に警告した、四社の小売業者に対して警告したわけでございますけれども、警告後の二か月後の価格を見ますと二百円とか三百円上がっているケースもございますし、また、それがじゃまた下がったかというと必ずしもそうじゃございませんで、六か月後の状況等を見ますと引き上げた価格が続いていると、そういうふうな状況になっているわけでございまして、警告すればそれなりの効果はあるというふうに考えているところでございます。
○ 浜田昌良君
是非、警告したら警告しっ放しではなくて、その後のフォローもしていただきたいと思います。
ただ、行政指導という形の注意とか警告ではなくて、やはり不当廉売についても実質的には罰則の強化が私は重要ではないかなと考えています。現にドイツにおいては競争制限禁止法という、いわゆる独禁法ですね、この中で、コスト割れ販売禁止の条項が設けられています。実態、法運用としても、大手ドラッグストアチェーンに制裁金を科すという、そういう決定も行っていると聞きました。
そこで、我が国においても、行政指導の一類型である警告にとどまらず、今次改正で盛り込まれたこの不公正取引に対する排除措置命令も視野に入れて不当廉売に厳正に対応していくことが重要だなと考えているわけでございますけれども、そこで、再度お聞きしますが、この不当廉売を抑止するためには、悪質な事案については差止め等の措置命令も行うと、そういう考えを明確にして、それを周知徹底することが重要と考えますが、この点についていかがでしょうか。
○ 政府特別補佐人(竹島一彦君)
おっしゃるとおりでございまして、社会的影響のある特に大規模事業者がかかわるようなものについては、厳正に排除措置命令という一番しっかりした対応を取っていきたいと思っております。
○ 浜田昌良君
今回せっかく法改正でそういう措置を盛り込んだわけでございますので、是非その法運用の実態を積み重ねていっていただきたいと考えているわけでございます。
4.2年後の見直しについて
それで、あとは、最後の質問に、もう時間になりましたので最後に質問させていただきますが、今般の法律では、附則で二年以内に見直しということになっているわけでございますが、その見直しの主な点は、先ほど既に委員長からも御答弁ありましたように、課徴金と罰則、罰金をどう考えていくのかということになるかと思っておりますけれども、もう一つの大きな要因として、この不公正な取引方法、これについては実は、今回の法改正の契機となりました公正取引委員会の組織を移すための法律のときの附帯決議においても、この不公正な取引方法については厳正な対処をするんだという附帯決議があったわけでございます。
今回、結果としては、この不公正な取引方法には課徴金も対象になっておりませんし、一応措置命令違反という形で罰金が掛かっている形になっておりますが、直接には掛かっていないという形に落ち着いたわけでございますけれども、是非、この二年の間の検討の中では、不公正な取引方法、特に優越的地位の濫用、また不当廉売等の実態をより二年間フォローしていただいて、場合によっては罰則の強化について、また課徴金の対象について御検討いただきたいと思いますが、この点を最後にお聞きしまして、私の質問を終えたいと思います。
○ 政府特別補佐人(竹一彦君)
優越的地位の濫用や不当廉売等の不公正な取引方法に係る課徴金とか直罰の対象にすべきだという御議論については、私ども、今回の改正でもいろいろ議論したんでございますが、残念ながら、構成要件の明確化が難しいとか、カルテル、談合と比べてそこまで本当に罰金や課徴金の対象まですべきものなのかどうかとか、そういったことについての整理が結局できませんで、今回は盛り込まさせていただけなかったんでございますが、この附則十三条の見直し規定の中では、今申し上げた問題はこれはきちんと検討するということにされておると私どもは認識しておりますし、恐らく内閣府に置かれる検討の場でもそのようになるというふうに思っております。
○ 浜田昌良君
以上でございます。
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