2005.05.18(金)
参議院本会議 会社法案 代表質問(Q&A)

  視点1「中小企業が使いやすい制度か」

わが国株式会社百四十万社の九十八.三%が中小企業であり、有限会社百八十九万社、合名・合資会社もほとんどが中小企業。よって、最大のユーザー、中小企業にとって手続簡素、理解容易、コスト最小という三つの要件が望まれるところ、株式会社と有限会社の一体化、取締役会などの機関設計の自由化、会計参与制度の創設等、会社法の改正が中小企業の経営革新に及ぼす影響如何。

(中川昭一 経済産業大臣)中小企業の効率的な経営や信用力の向上に資するものであり、中小企業の経営革新に向けた積極的な活用を後押ししたい。

  視点2「会社を起こしやすい制度か」

1980年代後半以降、企業の開業率と廃業率の逆転現象が起きており、大幅な創業・開業が望まれている。現在、最低資本金の特例で設立されている会社が平成十五年二月以降2万社以上となっているが、健全な形で引き継がれるためにも、今回の会社法において最低資本金規制はどのような形で撤廃するのか。「債権者保護」「資本の充実」等の従来の商法の基本理念との調和は図られるのか。

(南野知恵子 法務大臣)会社設立時における出資額規制の撤廃。財産状況の適切な開示等により債権者の保護を図り、資本充実の原則に基づく規律を維持することで従来の商法の基本理念との整合性を図ります。

  視点3「合同会社(LLC)の新設」

アメリカでここ十年で八十万社が設立されたLLC(合同会社)については、わが国新産業育成の源泉とするため構成員課税の適用を検討していくことが重要と考えるがどうか。

(谷垣禎一 財務大臣)今後、他の会社形態とのバランス、均衡等を踏まえて、適正な課税関係を検討する。

  視点4「会社の再編がしやすい制度か」

今般改正で株主総会の議決を経ない合併の範囲の拡大が盛り込まれているが、合併等の組織再編成に関する手続きの弾力化はどのような内容か。その悪用・濫用に対する防止策は十分か。また、合併対価の柔軟化の法施行を一年先延ばしした趣旨は。

(南野知恵子 法務大臣)合併等の対価の柔軟化や被支配会社における株主総会を省略できる略式組織再編を認など、組織再編手続の弾力化を図っており、他方、株主による略式組織再編の差止め制度を創設など、濫用防止のための措置を講じております。

また、延期の趣旨は、敵対的買収増加の懸念から、各会社に対し定時株主総会において、防衛策の導入を決める機会を確保するため。

  視点5「敵対的買収に対し、効果的な防衛策が可能か」

今次会社法改正を活用することにより敵対的買収防衛策としてどのような策が期待できるのか。

(南野知恵子 法務大臣)種類株式や新株予約権の制度を改正し、諸外国で用いられているいわゆるポイズンピルや拒否権付種類株式等の防衛策を導入しやすくしております。


企業価値向上につながる合理的な買収防衛策を普及していくため、どのような対策を今後実施していくのか。

(中川昭一 経済産業大臣)経済産業省では、法務省と共同して合理的な買収防衛策に関する指針を策定し、買収防衛策が、経営者の保身のためではなく、企業価値を向上させるために活用されていくことを期待しております。