2006.05.10(水)
参議院本会議 まちづくり三法改正法案 代表質問(Q&A)

  視点1「現行法の反省点と改正案における改善策」

 平成10年以降、特別用途地区、特定用途制限地区、準都市計画区域など、度重なる改正で大規模集客施設を制限できるツールを規定したが、現状は、大型ショッピングセンターの郊外立地、病院、文化施設の郊外移転などを背景として、中心市街地からの都市機能の流出に歯止めが掛かっていない。立地調整施策が十分に活用されてこなかった理由と改正法案における改善策は?


(北側一雄 国土交通大臣)
 これまで特別用途地区等の制度が十分に活用されてこなかったのは、現行の都市計画法においては、大規模集客施設について、広い地域での立地が可能であり、これらの制度を活用して一市町村が立地を制限したとしても、隣接する市町村に立地する等、広域的な観点から適正立地を確保する事が困難であったものと考えております。

 今回の改正案では、こうした問題に対応するため、土地利用の原則を転換し、いったん大規模集客施設の立地を制限した上で、その立地について都市計画法の手続を通じて地域が判断することとし、その判断に際し、一市町村の視点だけでなく広域的な観点から調整する手続を整備しているところでございます。

  視点2「中心市街地の活性化に向けた準工業地域のあり方」

 準工業地域については、三大都市圏及び政令市以外に限り大規模集客施設の立地を抑制することとなっているが、これは中心市街地の活性化を行う上で必要かつ十分と評価できるか?


(北側一雄 国土交通大臣)
 準工業地域は多様な用途の混在を許容する地域であり、市街地中心部の近くで指定されている例も多いことから、今回の都市計画法等の改正においては、大規模集客施設の立地を規制しないこととしたものでございます。しかしながら、中心市街地活性化の観点からいえば、地方都市においては準工業地域に大規模集客施設が立地した場合の中心市街地への影響が大きいと考えられます。このため、今回の中心市街地活性化法の改正による基本計画の大臣認定に当たりましては、準工業地域において特別用途地区を活用し、大規模集客施設の立地規制を行うことを要件とすることとしています。

  視点3「中心市街地の活性化に向けた公共施設のあり方」

 中心市街地活性化に向けた、役所庁舎、病院、福祉施設、文化施設などの公共施設の立地調整は今回の改正でどう改善されるか?


(北側一雄 国土交通大臣)
 中心市街地を活性化し、様々な都市機能がコンパクトに集積した、歩いて暮らせるまちづくりを進めるためには、公共公益施設が多くの人にとって便利な場所に立地するよう、まちづくりの観点からその適否を判断する必要があります。このため、今回の改正では、これらの施設を開発許可の対象とすることとしたものでございます。

  視点4「施行前期間における
       農地転用による大規模施設の駆け込み立地について」

 今般の都市計画法の改正を受けて、一年半の施行前の期間に大規模集客施設が駆け込み開発・出店する動きが数十件に上っているとのこと。しかもその多くは農業振興地域の解除による農地転用であり、優良農地確保の問題がある。そこで、大規模集客施設の立地については商業地域等の代替地先が明確となった趣旨を踏まえ、農業振興地域制度及び農地転用許可制度の適正かつ厳格な運用を図り、大規模集客施設の法施行前の駆け込み出店にともなう優良農地の転用を防止すべきと考えるが見解は?


(中川昭一 農林水産大臣)
 国民に対する食料の安定供給確保のためには、優良農地を良好な状態で確保することが極めて重要と考えております。よって、改正都市計画法施行前の大規模集客施設などの農地転用に対しても、農業振興地域制度及び農地転用許可制度の適正かつ厳格な運用の徹底を図り、優良農地の確保に努めて参る所存です。

  視点5「商店街の活性化に向けた意識改革、自助努力の促進」

 商店街の活性化は大規模集客施設や公共施設の中心市街地への立地誘導だけでできるものではなく、商店主の意識改革や自助努力が必須であります。そこで、今般導入された中心市街地活性化計画の認定制度や支援策等により、いかに全国の商店街の意識改革や自助努力を促していくことになるのか?


(二階俊博 経済産業大臣)
 今回の中心市街地活性化法案におきましては、市町村が作成する基本計画において、街に来られる人々等の増加等の具体的な目標の設定を求めることとしておりますが、その実効性などを検証した上で内閣総理大臣が認定する制度としております。その上で、選択と集中の観点から、基本計画の認定を受けた地域に対し重点的な支援を実施することで、結果として、商店街等の意識改革や自助努力を促すことにつながるものと考えております。

  視点6「業界ガイドライン作成の必要性」

 今般、中心市街地活性化法で事業者の責務規定が明記されることを受けて、大型小売店舗の撤退時の対応や地域への協力等、社会的責任を適切に果たしていくための業界ガイドラインを作成することが必要と考えますが、見解は?

(二階俊博 経済産業大臣)
 中小商業者、大型店を始めとする幅広い商業者がまちづくりに協力することは重要でありますが、自らの社会的責任の一環として自主的に取り組むことが望ましいと考えております。
  経済産業省としても、改正法案において中心市街地活性化のための事業者の責務に関する訓示規定を新設いたしました。この規定を踏まえ、事業者が自主ガイドラインを作成する等、その責務を果たすように促して参りたいと思っております。

  視点7「中心市街地活性化協議会のあり方」

 中心市街地や地域コミュニティの活性化は、住民の意識改革なしにありえない。中心市街地活性化法の基本理念にもあるように、今こそ街ぐるみでの中心市街地の活性化が求められている。従って、今後TMOに代わり、まちづくり活動の核となる中心市街地活性化協議会において、地権者や住民代表を巻き込んでいくことが何よりも重要と考える。そこで、法定する中心市街地活性化協議会への地権者や住民代表の参加を促進することが重要と考えますがその方策は?

(二階俊博 経済産業大臣) 御指摘のとおり、住民代表の参加を促進するということとして地権者にご協力を願う事は当然のことでありますが、極めてまた重要なことでもあると考えております。

 中心市街地の活性化を図るに際しては、地権者やその地域に住む方々、いわゆる住民の皆さんを巻き込んで町ぐるみで取り組んでいく事が重要であります。このため、改正中心市街地活性化法案では、まちづくりの司令塔となるべき中心市街地活性化協議会に、地権者等を含め、まちづくりにとって重要な関係者に積極的に御参加いただくように要請できることとしております。