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『実効性ある条約づくりへ』
『被爆国として積極的姿勢を表明』
レマン湖に映る陽光まぶしいジュネーブで、3月13日の軍縮会議に出席して、日本代表としてスピーチを行った。
軍縮会議は、世界で唯一、多数国間の軍縮条約を交渉する会議であり、1968年の核兵器不拡散条約(NPT)、72年の生物兵器禁止条約、93年の化学兵器禁止条約、96年の包括的核実験禁止条約(CTBT)など、重要な軍縮関連条約を草案合意してきた。だが、その後の加盟国間のコンセンサス(合意)が確保できず、99年以降、年間作業計画も合意できない状況が続いており、近年は実質的交渉が行われていないのが実情であった。
一方、世界の軍事情勢は冷戦の終了以降、流動化し、テロ組織などへの核物質の拡散が現実味を帯びて予見される状況になっている。
私は、このような背景のもと、今こそ軍縮会議が再度、実効性のある条約づくりをめざすべきとする内容のスピーチを行った。
まず、私が取り上げたのはNPTの信頼性向上である。NPTにおいては、米中露英仏の核保有国には、核軍縮を求める半面、わが国をはじめとする非核国においては、国際原子力エネルギー機関(IAEA)の査察を受けることを前提に、原子力の平和利用を認めている。
しかし近年、核保有国の軍縮の義務、非核国の不拡散の義務について、共に相手を非難し、2005年のNPT運用検討会議では、なんら合意文書が作成できない状況にあった。本年は、次回の10年のNPT運用検討会議に向けての運用検討プロセスが始まる重要な年であり、しかも在ウィーンの日本代表部大使が本年4―5月にウィーンで開催される第1回準備委員会の議長を務めることになっている。私は、NPTの維持強化に向けて建設的議論が行われるよう、わが国の積極的役割を果たす用意があるとの明確な決意を表明した。
一方、インド、パキスタン、イスラエルなどの国々は、自身を非核国としてNPTに加入することを望まず、一方、国際社会としては、これらの国々を核保有国として認めることができないという「NPTのジレンマ」が存在する。この「NPTのジレンマ」が北朝鮮、イランといった新たな核問題の出現を助長していることも現実であり、NPTの信頼性向上と並行して、「NPTのジレンマ」を乗り越え得る非核化を促進する枠組みが求められている。
このような背景から次に、CTBTの発効に必要な44カ国中、いまだ加入していない、米、中、インド、パキスタンなどの10カ国に対して改めて署名・批准を求めるとともに、日本として、「兵器用核分裂性物質生産禁止条約(カットオフ条約=FMCT)」について、核兵器国を含めていずれの国からも反対が表明されていないことから、本年の第2会期(5―6月)に交渉入りすることを日本として正式に提案した。
このFMCTは、兵器用核分裂性物質の生産そのものを禁止することで、新たな核兵器国の出現を防ぐとともに、核兵器国による核兵器の増産を制限するものであり、核軍縮・不拡散の双方の観点から重要なマイルストーン(道標)となるものである。
唯一の被爆国として、わが国がFMCTという軍縮条約交渉を活発化し、軍縮会議の機能回復に向けて、あらゆる努力を続ける用意があるとの積極的なスタンスを公表し、スペインの議長をはじめ、参加各国から高い称賛を受けるに至った。4―5月に開催されるNPT第1回準備委員会、更には第2会期にFMCTの交渉入りをめざし、わが国の軍縮への真価が問われることとなろう。
※03/13(火) 軍縮会議(CD)における浜田大臣政務官演説を削除いただき、こちらの内容を上書き願います。
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