2008.07.15(火)
「ザンビアの結核事情」

 

7月13日〜7月17日にかけて、アフリカ・ザンビアの結核対策に日本が貢献するため、現地視察、プロジェクト定着に向けての、保健省等の受け入れ側との会談を行った。

ザンビアは日本に比べ、面積は2倍、人口は1/10(1,050万人)であるが、15〜49才(生産年齢)人口におけるHIV感染率は14.3%(2007年)と依然高い水準である。
一方、結核についても、人口10万人当たりの患者数が568人(0.57%/2006年)と日本の33倍となっており。HIVと結核の二重感染が特に大きな問題となっている。

保健省は、各地域ごとにクリニックセンターを設置し、そこでは看護士以上が在勤して、HIVと結核の療養対策に対応しているが、特に貧民地区(コンパウンド)においては、そのカバーする地域が限定されているという事情がある。

まさに、このようなクリニックセンターの活動を支える上で、コミュニティボランティアの役割が欠かせないものの、その生活水準が低く、ボランティア活動を行う余裕がないのが現状である。

このような背景から、日本の顔の見える支援に、本年8月から約62万ドル(約7000万円)の無償資金協力(実施団体:結核予防会)を首都ルサカのバウレニ・コンパウンドで行うこととしている。

バウレニ・コンパウンドには既にクリニックセンターがあるものの治安等の背景から、コンパウンドの端に位置しており、住民からのアクセスが十分でない。よって、本プロジェクトにおいては、コンバランド内部における検診支所の設置や巡回検診等による、住民へのアクセス重視の「Activ Case Finding Management」を特色としている。

これは、エイズ感染者は免疫力が低下しているため、結核に感染した場合の発病率、死亡率が極めて高いという背景から、二重感染の早期発見を重視したアプローチである。

一方、患者のたん検査では発見されにくい二重感染者のレントゲン診断率の向上、直接服薬確認療法の実施を担うコミュニティボランティアの生活向上のためのマイクロクレジットの実施等の新たな課題に対応するとともに、さらに、結核予防会の本領が発揮しうる、検診率向上に向けた研修の質の向上、ガーナの野口研究所が行う薬剤耐性結核の研究との相互補完により、世界の結核対策をリードしていくことが、期待されている。

今後、世界基金「ストップ結核ジャパンアクション」にある世界の年間結核死者数の1割
(16万人)を救済することを念頭においた、日本の貢献が求められている。