[No.1407]ハマダレポート Vol.189 ー何故、今、特定秘密保護法か?ー

ハマダレポート Vol.189 2013.12.16

ー何故、今、特定秘密保護法か?ー

3年前の尖閣沖の「中国漁船衝突事件」を覚えておられるでしょうか?

当時の民主党政権は責任逃れに終始し、国民への情報公開を拒否したものの、現場の海上保安官が画像をインターネット上に公開し、一斉に情報が世界に拡散した事件です。

その流出の4日後、衆議院の予算委員会で当時の仙谷官房長官が、「公務員の守秘義務は軽すぎる、秘密保全法制を検討したい」と答弁したのが、政府としての本法律検討の出発点とされています。

但し、当該画像は、今回の「特定秘密」には全く当たらないことは既に確認されていますが、問題は、いったん漏出した「情報拡散の怖さ」と当時の「秘密指定の手続き・基準の曖昧さ」です。

第一に、インターネット、You Tube、ツイッターの世界では、一旦拡散されると、その後でいくら発信元の情報を消去しても、拡散先でデーターは保管され、事実、深刻なプライバシー侵害も起きています。

第二に「秘密指定の手続き・基準の曖昧さ」。当時の「衝突画像」を秘密に指定したのは、仙谷官房長官なのか、菅総理なのかさえ明らかにされていません。

現状でも、「特別管理秘密」というものがあります。衛星写真(公開されると衛星の解像度が判明し、相手国に有利となるとされています)が約9割で、その他外国の日本大使館とのやり取りに使われる暗号等を含め42万件とされています。

問題は、これらの情報の指定、廃棄などが法律で定められておらず、各省庁がバラバラに行われているとの指摘です。

「核密約」が問題となり、民主党政権でその事実が明らかになりましたが、7年前、第一次安倍政権外務大臣政務官であった私どころか、当時の安倍総理にも外務省から一切説明がなかったというのです!

今、「特定秘密保護法の廃案!」と叫ぶ方々がおられますが、日本版NSC発足に合わせ、現状の問題の多い秘密保全体制を、法に基づく統一ルールによる制度に近付けていくことは、「必要ない」のでしょうか。

9.11同時多発テロ、今年のアルジェリア人質事件・・・・。日本人が海外でテロ活動に巻き込まれる事件が事実起きています。海外要人の来日、国際的式典、我が国でテロが起きてもおかしくないという現実・・・・・・。

であるのに、何故、落ち着いた論調がマスコミの中で多くないのか?

長文となってしまいましたが、次号では、14年前も公明党のあり方が問われた「通信傍受法」の当時の議論と現状の成果を元にお話ししたいと思います!

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