[No.789] 「ブログ100日」第18号 ー参院選挙に向けての論点:待望される第三極とはー

第18号(4月19日)ー参院選挙に向けての論点:待望される第三極とはー

鳩山民主党は支持率半減で3割以下。一方、自民党も分裂気味で支持率上がらず。いきおい、この夏の参議院選挙に向けての論点は、民主、自民に対峙する「第三極」はどうなるか、に衆目は集まりつつあります。

 このような「風」を受け、いまや新党ブームとなっています。みんなの党、立ち上がれ日本、首長新党、そして舛添新党?

しかし、今までも、政治とカネが問題になるたびに実は新党ブームがあったのです。例えば、田中角栄・ロッキード事件の時の新自由クラブ、金丸信・東京佐川ヤミ献金問題の時の日本新党、新党さきがけ。そして、田中・金丸の直系が小沢一郎です。政治とカネだけでなく新党ブームまで起こしてしまいました。

残念なことは、今までの日本の新党ブームは、あくまで「一時しのぎ」で、生まれた新党は今ではひとつも残っていないということです。これでは、「新党ブーム」は単なる、既存政党に対する不満のはけ口であり、政治の良くする原動力になってこなかったことの証左です。果たして、今生まれている「新党」に「一時しのぎ」を超える理念はあるのでしょうか。

今待望される「第三極」とは、どういう役割を果たすことが期待されているのでしょうか。それは、英米に比べ未成熟な我が国の二大政党制を補う機能だと思います。つまり、選挙制度自体は16年前から「小選挙区制」という2大政党制のための制度となっておりながら、国会論戦は、与党に野党は反対するだけという「55年体制」のままであったのです。

民主党は野党時代には国民生活を守る補正予算ですら反対する一方、道路財源一般財源化の政府案に反対して高速道路無料化・暫定税率廃止を主張し、その「実現」に困っています。また、最近の自民党も補正予算にも反対し、永住外国人の地方選挙権反対を言い出すなど、日本の二大政党制はどうしても「対立の構図」を無理やり作ろうとする嫌いがあります。実は、我が国は大正デモクラシーを経て昭和初期に政友会と民政党という「二大政党制」を経験しましたが、政権交代が頻発して、政治の安定を求めて、軍部の台頭を招いたという悲劇があると、政治学者の御厨貴東京大学教授は指摘しています。

このような不必要な対立を取り除き、第一党と第二党の間の合意軸を提案できる役割こそ、第三党に求められているのです。このような合意軸の提案は、国民に根を張った政党、まさに、チーム3000でしかなしえません。それは、「根なし草」政党はどうしても現実から遊離して、「風」ばかり気にしてむしろ対立を助長してしまうからです。みんなの党による行革一本槍や立ち上がれ日本による消費税10%が今求められている与野党合意軸であるとは思えません。

日本型政権交代政治の「新たなカタチ」。それは、国民に根ざした第三政党が合意軸を提案し、社会保障など国民生活に影響が大きい政策が政権交代してもぶれない政治。それが、この参議院選挙により生まれるか否かがかかっている、私はそう考えています。

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