[No.808]「ブログ100日」第31号ーあの「事業仕分け」は何だったのかー

第31号(5月2日)ーあの「事業仕分け」は何だったのかー

 政府与党による「事業仕分け」第2弾が行われた。独立行政法人47法人、151事業を対象にして、4月28日までの4日間で行われ、31事業の廃止が決まったそうた。しかし、その結果は「仕分けの効果と限界が見えた(4月30日読売社説)」というのが一般の評価であろう。国の政策を、プロたちだけではなく国民の目線で素朴な疑問をぶつけ、政策のたな卸しを行う本来の事業仕分けは重要だ。しかし、全ての政策を1時間で結果を出す、インターネット中継を行うなど、あまりにもパフォーマンスが過ぎる。都市再生機構(UR)の高級賃貸住宅を民間に売却するならその利益で赤字補填している低所得者賃貸住宅をどう運営するのか、11兆円にも上るURの赤字を今後どのように処理するのかを同時の答えを出すべきである。また、今回の基金返納の4分の3を占める鉄建支援機構の剰余金も旧国鉄職員の共済年金の財源だけにその将来見通しを示すべきだ。さもないと、単に当面のマニフェスト財源のための「事業仕分け」と批判されよう。さらに、前回もそうであったが、特に気になるのは、事業仕分けされた、担当の公務員、独立行政法人の職員がこのような結果にほとんど納得していないことだ。一部に、「この印籠が見えないか」スタイルの今の「事業仕分け」なら、全く意味が無い、もう仕事をやる気がしないという声も聞こえる。本来国民の声であるならば、必ず納得が得られるはずだ。そうでなければ、いずれ現場の職員が元に戻してしまう、そんな「ムダ」は全くの選挙目当てのパフォーマンスである。事業仕分けを通じて現場の職員の「ムダ」排除意識を国民の常識に戻し、納得させることこそ、本来の事業仕分けではなかろうか。

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