3月25日 子どもたちへのメッセージ(第十三回)の収録を終えて

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今回の未曾有の震災ではボランティアの活動が注目されました。第十三回の放送では、実際の活動者数やその活動のニーズの変化について取り上げました。またボランティアだけでなく多くの警察や自衛隊もまた、被災地で支援活動をしました。現地の子どもたちは、何を見て、どう感じたのでしょうか。一過性の流れで終わらせない為にも、いま一度、ボランティアの在り方を皆さんと考えていきたいと思います。

■ボランティアセンターデータ
皆様、こんにちは。参議院議員の浜田まさよしです。今回の放送のテーマは「被災地でのボランティアの活動」です。

災害ボランティアセンターで受け付けたボランティア活動者数は、震災直後の3月から昨年末の12月までに岩手、宮城、福島の3県合同で約90万人(岩手県約32万人、宮城県約44万人、福島県約14万人)になります。それに加え、災害ボランティアセンターを経由しないで、NPO等で活動した方も多数に上るものと考えられます。

しかし1995年の阪神大震災では10ヶ月で134万人がボランティアに参加していて、今回の東日本大震災はその7割程度になります。東日本大震災の発生直後は被災地までのアクセスの悪さとボランティア自粛を求める動きがあり、結果的に人数は伸びませんでした。震災から一年経った現在、活動者数が十分の一に減ってきているという状況があり、ボランティアという活動は本当にありがたいものなのですが、まだまだ裾野を広げる活動も合わせて行う必要があると実感しています。

■活動内容の変化
水谷さんはこの一年間、実際にボランティアを活動されています。震災直後の3月20日から始まり、多くのボランティアを主に宮城県などの沿線部に送ってきました。6月15日をもって一時大学生を全員撤収させましたが、現在はあらためて心理系、福祉系、教育系の学生が高齢者のケアや子どもたち、学校のサポートのボランティアを行っているということです。

このように現地で求められる活動内容の変化が見られます。これまでは、被災家屋のがれきの除去や清掃、泥だし、土嚢つめ、救援物資の仕分け作業や物品搬入の手伝いなど、力仕事を中心としたボランティア活動が実施されてきました。ですが、10ヶ月が経過すると、活動内容は仮設に移った被災者の買物支援、調理支援や環境整備などの生活支援、または安否確認、孤立防止などの活動が中心となっています。これらには被災者のコミュニケーション、人間関係作りが必要なことから比較的長期あるいは継続的(断続的)に被災地に滞在できる方が適役となっています

一方では短期であっても大勢の方の力が必要なケースも依然としてあります。このように、力仕事でなくても十分にボランティアのニーズがありますので、各市などの災害ボランティアセンターのHPなどを是非ご覧いただきたいと思います。

■子どもたちが見た支援活動
ボランティアやNPO法人だけでなく、第一線で支援活動を行ってきたのは警察・消防隊・自衛隊員の皆さんです。そういった支援活動について子どもたちはどんなことを感じたのでしょうか。

福島県の沿岸部被災地と福島市を結ぶ国道114号沿いに毎日、朝と夕、小学生の姉弟が立っていました。二人は行方不明者捜索などで行き来する警察や自衛隊の車両に3ヶ月も手を降り続けたのです。カレンダー裏に書いた「おかえり!!」、「いつもありがとう」のメッセージを広げ、手を振って「お疲れ様でした」と大きな声をかけていました。そんな彼らの姿に、日々の活動に疲れ果てていた自衛隊員や警察官の疲れも吹っ飛んだといいます。また大阪府警の交通派遣部隊のお話ですが、岩手県陸前高田に一週間、津波で信号が破壊された町の交通整理の為、現地に赴いたそうです。そして活動が終了し、いざ街を離れる時に、近所の世田米小学校の子どもたちから感謝のプレゼントとして合唱を送られました。「はじめの一歩」という、まさに明日への希望を込めたその歌を受け取って、逆に彼らから力をもらったと府警の方が話していました。

また、宮城県の南三陸町で、避難を呼びかけ続けて津波の犠牲となった女性職員、遠藤美希さんのエピソードが、埼玉県の道徳教材に載ることになりました。「天の声」というタイトルで、被災地以外の多くの子どもたちに、語り続けられるようになって本当に良かったと思います。この教材を読んだ子どもたちが、自分たちが生きているという事は、誰かが命を削ってくれてきたおかげだということを感じてくれるだろうし、そういう「支えられている」という実感が、子どもたちが何かでくじけそうになった時の「未来の希望の虹」となることを願ってやみません。

■ボランティアに関わる皆様に
被災地にボランティアとして駆けつけた皆さん、そして、現場で頑張っている皆さん、本当に感謝しかありません。ボランティアの皆さんのおかげで現地の方々が一筋の希望を見出すことができています。

またこれからボランティアに参加される方々、まだまだ本当に色々なボランティアがあります。例えば「足湯ボランティア」という被災者の方々と足湯に一緒に入って、ポツリ、ポツリと話を聞く、そのようなボランティアもありますし、実際に現地に観光に行くこと自体も大きなボランティアになります。出来ることが少しでもありましたら、是非皆さんの協力をお願いしたいと思います。

「子どもたちのメッセージ」は毎週日曜日17:25~40 ラジオ日本AM1422Hzで放送中です。(→番組ホームページ

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