ハマダレポート Vol.515. ―核廃絶への建設的な対話促進―

ハマダレポート Vol.515. 2019.11.25

―核廃絶への建設的な対話促進―

昨日、ローマ教皇が、長崎、広島を訪問し、核廃絶に向けた力強いメッセージを発表されました。

しかし、核軍縮を取り巻く現下の状況には厳しいものがあります。

米国とロシアは中距離核戦力全廃条約から脱退し、米ロに加え中国でも核兵器の近代化計画が進められています。

「核抑止」を必要とする陣営と、人道的な観点から「核廃絶」を求める陣営との分断は深まり、2020年の核不拡散条約・運用検討会議の建設的な議論が危ぶまれている状況にあります。

核保有国と非保有国の有識者が核軍縮の進め方を議論する「賢人会議」。

公明党の推進で、広島、長崎で開催し、5回にわたる議論の報告書を、先月、外務省に提出しました。

報告書では、まず、「核抑止が特定の環境における安定性を向上させる可能性あるとしても、それが世界の安全保障にとって危険な基盤」と断じた上で、「全ての国はより良い長期的な解決策を模索すべきである」と提言しています。

また、両陣営による建設的な対話の行き詰まりの原因となっている、以下の6つの論点を挙げ、多様な見解を有する国家や市民社会を交えた議論を慫慂しています。

1.国家が、そうしなければ戦争に敗北し、生存を脅かされると結論づける場合、最後の手段として核兵器を使用することは合法的であるか、また適切であるか。

2.核兵器の唯一の役割は他の核兵器の抑止であるべきか。核兵器以外の手段によって抑止あるいは撃退できない非核の脅威が現在あるか否か。

3.核兵器による威嚇及び使用が正当であると考える脅威が存在する場合、実際の使用が国際人道法に適合する可能性はあるか。

4.核抑止とこれに伴うリスクとの間のトレードオフは、どのように管理され得るか。それらを低減するためにどのような措置を講じ得るか。

5.核軍縮に至る道のりを管理し、その進展を確保するための効果的なベンチマークはあるか。核兵器を保有するNPT非締約国を、如何にして核軍縮のプロセスに参加させ得るか。

6.核兵器の廃絶後に、国際社会は如何に平和と安定を維持し得るか。核兵器のない世界の実現の不可逆性を如何に確保し得るか。

いずれも、簡単に結論が導き出せない「困難な問題」ですが、核廃絶を、単なる「運動論」から、具体的「政策論」にしていくためには、避けては通れない課題です。

唯一の戦争被爆国としての「真の橋渡し」。浜田まさよし、一歩、一歩、進めて参ります!

 

関連記事