[No.1486]6/8西湘海岸保全事業着手式に出席

20140608★.JPG
 神奈川県の西湘海岸保全事業着手式が6月8日、二宮町内で開かれ、太田昭宏国土国通大臣のあいさつの後、来賓の一人として祝辞を述べさせていただきました。
 今後、国土交通省が今年度から新工法を取り入れ、侵食が著しい砂浜の復元に取り組んでいきます。
 式典には、県や地元自治体と連携しながら国の直轄事業化を共に推進してきた公明党の古屋範子衆院議員、佐々木さやか参院議員も出席。また、赤井和憲県議、奥津勝子、二宮加寿子の両大磯町議、三橋智子・二宮町議らも出席し、関係者とともに直轄事業の実現を喜び合いました。
 小田原市から二宮町を経て大磯町に至る西湘海岸は、同市の酒匂川から流れ出た砂が南からの波に運ばれ、砂浜を形成。しかし、ダム建設や過去の砂利採取で砂の供給が減り、砂幅が次第に狭くなっていきました。
 県はこれまで、土砂の流れを回復する試みや海岸に砂を加える「養砂(ようひん)」などに取り組んできましたが、沿岸近くまで深い海底谷が迫っている地形のため、台風時は高い波が海岸まで到達しやすく、砂浜が削られやすいことなどが対策を難しくしてきました。
 こうした中で、公明党神奈川県本部(上田勇代表=衆院議員)は2004年と06年、赤井県議を中心に西湘海岸を含む湘南海岸の侵食状況を独自に調査。上田勇県代表や古屋衆院議員、谷口和史衆院議員(当時、現県議)らと共に連携し、解決策を探ってきました。
 この結果、党県本部は「侵食対策を加速させるには国の協力が必要」と判断し、相模湾沿岸の浸食対策について国に支援を要請。さらに07年の台風9号で大規模な浸食被害に遭った西湘海岸について、「本格的な砂浜の復元・保全には国の直轄事業化が欠かせない」として要望を続けてきました。
 昨年11月、黒岩祐治神奈川県知事、古屋議員、佐々木さやか議員、谷口県議らと共に太田国交大臣に早期実現の要請をしたところ、太田国交大臣は直轄事業化に理解を示され、検討する考えを強調。事態は大きく動き出し、国が保全対策に乗り出すことが決定しました。
 事業区間は酒匂川から大磯港までの約13キロ。保全事業では、高い波のときに前浜(はえはま)の土砂の移動を抑制する岩盤型施設(仮称)6基を波打ち際に埋め込む新工法を導入。このほか、土砂が海底谷に流出しないよう海岸近くの海底谷に人工の棚(長さ約1キロ)を設け、約36万立方メートルの砂を入れて養砂を行います。
 約181億円を投じる事業計画は2031年度まで。これにより、最低でも奥行き約30メートルの幅と適度な傾斜を有する砂浜を回復し、大型台風時の波浪にも砂浜を維持できる海岸を築く方針です。
 太田国交大臣は各地で同様の課題を持つ砂浜再生のモデルケースとなるよう、「技術の粋を集め、砂浜を復元できるという実例をつくりたい」とありました。

関連記事