世界の結核死亡者1割削減を担う「ストップ結核アクションプラン」を実現(07年3月)

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07年3月20日、浜田はエイズ・結核問題のザンビア人活動家、ウィンストン・ズル氏の訪日受入れに尽力し、浜四津敏子党代表代行らとともに首相官邸を訪れ、安倍晋三首相と面会。ズル氏は、自らHIV(エイズウイルス)と結核の二重感染に苦しみ、同様に兄弟4人を二重感染で失ったことから、世界中でエイズ・結核の脅威を語り撲滅を訴える活動に献身しておられます。
席上、ズル氏は日本政府の世界エイズ・結核・マラリア対策基金に対する多額の拠出に謝意を示すとともに、「アフリカの医療現場などで、日本の支援を実感している」と述べ、一方、安倍首相はエイズのまん延防止などを掲げたミレニアム開発目標(MDGs)の達成のため、「日本の役割を果たしたい」と強調しました。


ウインストン・ズル氏と共に安倍首相を訪問 (2007/03/20)

これらの会談を受け、浜田は、世界で毎年160万人が結核で亡くなっている現状を改善するため、その1割を日本の支援によって救済する「ストップ結核ジャパン・アクションプラン」を提案しました。
その「アクションプラン」の一環で、08年5月14日、15日にフィリピン・マニラのスラム街における結核感染のプロジェクト及び7月14日、15日にザンビア・ルサカのエイズ・結核二重感染プロジェクトの実施状況を視察し、患者の方々より話を伺いました。また、日本によるこの事業が世界基金の下で行いうるよう現地保健省などと意見交換を行いました。
また08年7月24日、25日の2日間、国連大学において、結核予防会総裁の秋篠宮妃殿下ご臨席のもと、世界30ヶ国より専門家が集い、国際結核シンポジウムが開催され、浜田は、ストップ結核パートナーシップ推進議員連盟事務局長として、両日の会合に参加。本シンポジウムで「ストップ結核ジャパン・アクションプラン」が正式に、外務省、厚生労働省、JICA、結核予防会、ストップ結核パートナーシップ日本の五団体間で合意されました。

一方、最近、薬剤耐性の結核、MDR―TB(マルチ・ドラッグ・レジスタント結核)が出始めて、世界で約50万人が発症しているという報告があります。これになってしまうと治るのに数年ぐらいかかると言われており、さらに、その1割ぐらいはXDR、もう極耐性という、ほとんど治らない結核を発症しているという現実があります。しかしながら、このMDRやXDRの患者は先進国というより途上国に多く、よって、治療現場の設備が不十分であり、新薬開発の治験がなかなか進まないという問題があります。

そこでストップ結核パートナーシップ日本がこのMDRの新薬開発に向けて民間基金をつくり、09年6月22日に発表しました。具体的には、途上国においてICH―GCPという日米欧の臨床治験基準に沿った開発治験を実施する施設への資金援助(治験施設やデータ入力・解析に必要なOA機器等のインフラ整備、研修・情報共有会合支援等)を行い、結核の分野では40年ぶりの新薬開発を成功させようとするもの。

浜田は、09年7月1日のODA特別委員会でこの問題を取り上げ、橋本外務副大臣及び渡辺厚生労働副大臣から、「ストップ結核パートナーシップ日本から発表された耐性結核新薬開発基金は、「ストップ結核ジャパンアクションプラン」に基づく民間側の重要なイニシアチブの一つでありまして、政府としてもこれを歓迎をしているところであります。今後とも関係者とともに協力をし合いながら、このアクションプランの着実な実施を通じて結核対策の国際協力に取り組んでいきたい」との政府側の支援についての答弁を引き出しました。


小児結核の少女宅を訪問(マニラ) (2008/05/14)


エイズ・結核二重感染患者へのお見舞い(ルサカ)(2008/07/14)

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