1月15日 子どもたちへのメッセージ(第三回)の収録を終えて
第三回のテーマは「子どもたちと麻薬」です。報道によると薬物は今や小学生にまで影響を及ぼしていると言われています。水谷さんは薬物を使用する子どもたちは何らかの心の病を抱えている子であり、薬物乱用が流行る時代はそれだけ社会が混乱している時代だと指摘しました。発覚した場合はどのような法的処理になるのか、しかし本当に求められる対策は単なる薬物の取り締まりではなく、再発や予防の対策であると浜田は主張します。子どもたちを麻薬から守るためには今何が求められているのでしょうか。
■麻薬使用の法的な処理について
皆様、こんにちは。参議院議員の浜田まさよしです。第三回目になる今回の放送では子どもたちと薬物について取り上げました。
薬物というと皆さんは覚せい剤やシンナーなど物騒なものを想像してしまう方が多いかもしれません。しかし水谷さんの話では、薬物というのは法律上でいうと、使用が禁止されているものと制限されているものとがある、とのこと。例えば後者の例として医者が処方している薬というのは本人が使うか捨てるかのものであって、それを他人に渡せば違法薬物になってしまうのです。そして処方等の乱用を含めれば国内では約140万人の人々が、特に1990年半ばから10代を中心に薬物汚染が広がっていっている現状。
そして実際に違法薬物の使用が発覚した場合は逮捕されることになります。平成22年の薬物事犯の検挙数は14529名。140万人のたった1%の数値です。しかし問題なのはやはり若者が増えていることで全体では20代が25%、未成年が3%なのですが、大麻に関してだと20代が54%、未成年者が7%と比率が高くなっています。未成年の場合、警察で留置された後、家庭裁判所に送致されますが、平成22年でその数は642名。その内半分ぐらいの子どもたちは少年院に送られます。全体として7割くらいの子ども達に保護観察という形で社会全体が見守っていくことになります。
■摘発偏重の是正
我が国の問題として、薬物の取り締まりばかり力を入れてきて、依存症対策は三流であった、このことは政府も認めています。例えば、最初に薬物に手を染めてしまったときの教育が重要なのに、初犯者はほとんど執行猶予で大人の場合は保護観察もつかず、「薬事離脱プログラム」も受けていないという状況でした。この問題は水谷さんから指摘があり2年前に国会で取り上げ、薬物関係で警察に逮捕され、留置されている間に手を打つべきだと主張しました。これは有罪とは決まっていないので法的には難しいことなのですが、せっかくのチャンスなので生かすべきだと思ったからです。
そして平成22年11月に警察庁から通達が出て、今では全国1238の全留置所で「薬物の離脱を目指せ!!」というパンフレットが希望者やそのご家族に配布されるようになりました。これは大きな一歩前進であることに間違いはありません。
■リハビリ施設「ダルク」について
薬物依存症のリハビリ施設の中で特に有名な施設として「DARC(Drug Addiction Rehabilitation Centerの略)」を水谷さんは挙げました。自らも覚せい剤依存者であった近藤恒夫氏が26年前に設立したこの施設は、現在全国60か所以上に作られています。そこでは1日3回ミーティングが行われ、それぞれが過去の経験の反省を話し合い、今日一日を1年、10年積み上げていって仲間と助け合いながら薬物を絶とう、という取組みが行われています。
■薬物依存の再発の可能性
現在医療機関で治療を受けている薬物使用による患者数は平成20年で1万6千人。10年間で2.7倍に増えていることを踏まえれば、「再発」という言葉が適切かどうかわかりませんが、それが続いているという方が多いというのが現実です。このように依存症は、いわば慢性病です。すぐに完治するという訳にはなかなかいきません。しかし先ほど水谷さんが紹介していたダルクのような支援団体と連携し、決して依存症の方を孤立させずに、人との「つながり」のなかで、ずっと見守っていく社会にしていくことが重要です。
■子どもたちを麻薬や覚せい剤から守るために
それがどういうものなのか、どういう風に身体に害を与えてどのように一生を損なうものなのか。すべての親とすべての教員が薬物に関するプロになってほしい、と水谷さんは話し、予防教育こそ第一であると強く訴えていました。
私も、まずは「ダメ絶対」という言葉があるように、子どもたちに薬物禁止教育を徹底してやるという事を最優先に求めます。現在、「薬物乱用防止教室」の実地率は、小学校で6割、中高で8割と徐々に広まってきましたが、問題はその内容です。講師である保健の先生や警察官、麻薬取締官からは、「一度手を染めてしまうと、こんなに人生の辛酸をなめることになる」という生々しい体験があまり語られていません。是非ダルクの関係者の方々と連携するなど切実感をもった教育をしてほしいことが第1です。
第2は社会全体から薬物を撲滅していくことです。大人が薬物に手を染めてしまうとそれを続けるための資金欲しさに子供たちに売ってしまうということになりどうしても子どもたちを薬物から守れないからと私の思いを伝えさせていただきました。
「子どもたちのメッセージ」は毎週日曜日17:25~40 ラジオ日本AM1422Hzで放送中です。(→番組ホームページ)
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