3月18日 子どもたちへのメッセージ(第十二回)の収録を終えて

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東日本大震災から一年が経過しました。第十二回にあたる本放送では被災地の現状について取り上げました。現地では震災による直接の被害だけでなく風評被害も大きく、現地に足を運んだ浜田は多くの悲痛な声を聞いて回りました。今回は震災により、親を亡くした子どもたちや、経済的な理由で進学をあきらめた子どもたちについて言及しました。彼らが夢をあきらめないために、より良い制度を作り出すだけでなく、今ある制度を上手く使ってほしいと浜田は強く訴えました。

■被災地を訪問して
皆様、こんにちは。参議院議員の浜田まさよしです。今回の放送のテーマは「被災地の現在の状況」です。

私も水谷さんも幾度も被災地に足を運んでいますが、現地に行かないと分からないと強く実感しました。震災直後の15日から党に原発災害本部を設置して、私は福島県担当となり、4月11日に現地に向かいました。福島の方々は「福島原発という表現をやめてほしい」、「テレビや新聞では、福島原発、福島原発と叫ぶが、あそこで発電した電気は1Wも福島県民は使っていないのだから」と。福島ナンバーというだけで、ガソリンスタンドやファミレスから入店拒否されるのだと言います。

悲痛な叫びがそこにありました。

当時はまさに風評被害が大変で、旅館業組合の青年部長さん曰く、震災以後の予約が全てキャンセルとなってしまい、とても困り果てているという事でした。そこで何かイベントは企画できないかと思い、私は水谷さんにすぐ相談しました。そして彼の協力の元、郡山駅前で旅館宣伝を目的とした大きなイベントを開催することができました。

■親を亡くした子どもたち
震災は本当に多くの命を奪いました。子ども自身は600名が死亡、そして両親を亡くした子どもたちは240名、どちらかを亡くしてしまった震災孤児を含めれば1500名を超えています。その子どもたちのほとんどは親戚に引き取られていますが、この子どもたちの大半が小学生低学年から幼児にあたります。これはいかに長期間、彼らを心の問題だけでなく経済的な面でもケアしていくかが非常に重要な課題となります。

皆さんは「親族里親制度」というものがあるのをご存じでしょうか。三親等以内の親族に対し、養育費として月額4万7千円が支払われる制度なのですが、これがまったく世間に知られていない実態がありました。そこで申請を待つのではなく、積極的にこちらからこの制度についてお話しして、結果、両親を亡くした子どもたち240名中の160名に適用されることになりました。

次に、片親を無くした子どもたちについてです。本来、「遺族基礎年金」というものがあるのですが、これは父親が亡くなった場合にしか適用されませんでした。このことを指摘し、小宮山厚労大臣は見直しを表明しましたが、それでも今回の震災のケースには適用されないという問題があります。ただ一つの救いは、児童扶養手当の改善です。今までこの手当は母子家庭にしか適用されていませんでした。しかしこれからは父子家庭にも適用されることとなっていたのです。

親を亡くした子どもたちの多くは、親戚に身を寄せています。そんな状況でも夢をあきらめさせない為に、経済的な支援が必要であり何よりの第一歩だと思っています。

■「高校生就学支援基金」
水谷さんの元に、宮城県石巻市の高校三年生の女の子からメールがありました。今回の大震災で父と家までも失くし、現在は仮設住宅に住んでいるのですが、弟の進学と病弱な母のため、大学進学をあきらめ地元で就職することを決めたというのです。現地での企業の被害は大きく、なかなか就職先が決まらない状態だといいます。多くは就職先が被災して、内定を取り消されたり、入社延期をされたりと、特に大学生よりも高校生が最も影響を受けている実情があります。

また経済的な理由で進学を諦めた子どもたちもいます。公立高校の授業料がいくら無償化されたとしても、副教材費、制服代、修学旅行代など授業料以外の面でかなり費用がかかります。高校の公立でも年間15万かかると言われていますし、勿論私立ならさらにかかります。

そのような「貧しくて学べない」状況の高校生に対して、我々が与党の時に作った「高校生就学支援基金」があります。これはリーマンショックがあった2008年9月に各都道府県に作られました。この基金の存在を子どもたちが声を挙げる前に先生の方から子どもにこういう制度があることを是非教えてあげて下さい。また子どもたち、また親御さんの方からも先生に相談して、経済的なことで夢をあきらめることがないよう、今ある制度を上手く使ってもらえるよう、今後とも広報に励みたいと思います。

■若者のパワーに感動
最後に、以前読んだ記事で暴走族が解散した話がありました。茨城県大洗町を拠点に活動していた暴走族が、震災後「暴走なんてしている場合じゃない」と族旗を警察に手渡し、解散後、ボランティアに参加したといいます。まだまだこの国にはあたたかい心が充ちている、彼らのような若者のパワーに今後期待し、私自身もその心に応えていきたいですね。

「子どもたちのメッセージ」は毎週日曜日17:25~40 ラジオ日本AM1422Hzで放送中です。(→番組ホームページ

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