4月22日 子どもたちへのメッセージ(第十七回)の収録を終えて

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第十七回の放送では「子どもたちの性とメディア」について取り上げました。インターネットをとおして子どもたちが「性の商売」として利用されていることが問題となっています。フィルタリングを使ったブロッキングや、児童ポルノ法など規制の方法はありますが、いまだ海外から規制が甘いと言われている日本ではその規制を潜り抜けているケースも多々あります。子どもたちを守るためにメディアに求めることは何なのか、話し合いました。

■ネットとフィルタリング
皆様、こんにちは。参議院議員の浜田まさよしです。本日は「子どもたちと性の問題について」考えていきたいと思います。

インターネットを開くと本当に性の情報であふれています。私が実際経験して驚いたのは携帯でもどんどん一方的に、様々なアドレスが画像入りで送られてくることです。あまりにも頻繁だったのでブロッキングしましたが、これが子どもたちの携帯にも同じようなメールが送られてくるのだと思うと、ぞっとした気分になりました。

以前別の放送でも触れたと思いますが、フィルタリングについてここでもう一度話しました。いま携帯を購入する場合、未成年の場合にはどの会社でも大体三段階に分けたフィルタリングをかけることができます。一番ブロッキング率が高いフィルタリングなら9割のアダルト系迷惑メールをブロッキングできます。ですが実際に、水谷さんがNTTの人にどれくらいの親が子供の携帯にフィルタリングをしているかと聞いたところ、たったの4割程度だったという実態があります。

そのように親がフィルタリングをかけないことと、また、フィルタリングをすりぬける業者が増えてきていることが問題になっています。例えば3億以上あるインターネットのサイトを「ゲーム」、「ニュース」、「アダルト」等とジャンルごとに振り分け、フィルタリングをかけていくのですが、最近「ゲーム」や「アニメ」にアダルト系サイトが紛れ込んでいるケースがあります。アダルト等に関係する文字があればブロッキングされてしまうので、いわゆる業界内で「隠語」を使い、上手く逃れているのです。

■被害にあう子どもたち
以上のような原因から、実際に子どもたちが被害にあうケースが増えています。水谷さんの元には、金銭的な被害にあっている子どもから多く相談が寄せられているそうです。アダルトサイトを見ていると、何万円を払えという連絡が来るなど、実際に10代の子は問題を明るみにしたくない恐怖心からか、提示された金額を払ってしまうケースが多いようです。

国も18歳以下の子どもたちのアダルト画像などをアップすることを禁止する「児童ポルノ法」を、平成11年に作ったのですが、摘発件数は平成23年に被害者638名で過去最高になります。被害者は主に女子の中高生ですが、驚いたのは加害者で、一番多いのは実父で33%、次に実母で29%、その次は内縁や義理の父親で35%になります。これは児童虐待にも絡んだ大きな問題になっています。

■海外での規制について
児童ポルノに関しては先進国だけでなく他の国を見ても日本は規制が甘いとされています。

日本と欧米の法規制の考え方が少し違っていて、日本では実際の子どもたちの写真とか映像だけに適応され、子どもたちの人権保護が中心となっています。ですが、海外ではそこから一歩踏み込んでアニメや、CGもおいても、猥褻な表現でいわゆる犯罪を誘発したり、公序良俗に反するものも問題とされます。そこまで日本も考え方を広げる必要があるのではないでしょうか。

■子どもたちを守るために
子どもたちを守るためにメディアに求められることは何でしょうか。

水谷さんは「良心」だと話しました。TVやラジオもそうですが特にネットに関して、子どもを商売にしないでほしい、猥雑なもので人気を取ろうとするのはやめてほしいと強く訴えました。

子どもたちはまだフィクションとノンフィクションが上手く立て分けられません。例え対象が大人だから大丈夫だとか、そういう意味ではなく、子どもたちが一緒に生活している社会であるということを十分踏まえて、一定の規制は受け入れることも必要と思います。

「子どもたちのメッセージ」は毎週日曜日17:25~40 ラジオ日本AM1422Hzで放送中です。(→番組ホームページ

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