6月24日 子どもたちへのメッセージ(第二十六回)の収録を終えて

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第二十六回の放送では「子どもたちと家庭環境」について取り上げました。家庭環境というのは子どもの一生を決めてしまう大事なものです。学校以外にも塾や習い事と、現代の子どもたちはかつての子どもたちより多忙です。しかし、それは親の期待に応えようとするからで、結果それに上手く応えられなくなると、追い詰められてしまいます。そのような子どもたちを救う為に、浜田は親側がある意識を持つことが必要だと話しました。

■塾や習い事
皆様、こんにちは。参議院議員の浜田まさよしです。本日は子どもたちと家庭環境について考えていきたいと思います。

現在の子どもたちは塾通い、習い事など、昔と比べて忙しい毎日を送っています。2011年の時点の塾や習い事の比率は、小学生高学年では複数回答で学習系55%、スポーツ系54%、いわゆるピアノなどの芸術系28%です。特にこの10年間で都市部でこのような傾向の高まりが顕著です。昔とは異なり、最近では子どもたちはスポーツ系の塾で汗を流しているようです。

しかし、そのような「良い子」でいるための演技が、子どもを追い詰める結果になってしまいます。子どもが「良い子」を作り出すのは、「悪い子」の部分を受け入れない親にあります。人間それぞれ良い面、悪い面があって当然であり、全体を受けいれる一種の、「おおらかさ」がなければ子どもは追い詰められてしまいます。

■追い詰められる子どもたち
水谷さんの元には、親の期待に追い詰められた子どもたちからのメールや相談がたくさん寄せられています。中学受験を失敗したことで親ともめてしまい、夜の街を徘徊し、HIVにかかった少女がいました。しかし、最後まで両親と溝が完全に修復しないまま、恨んで若くして17歳で亡くなったといいます。

親が子どもにかける期待は両面性があると思います。期待があるから子どもはそれを行動規範として、どうすれば評価されるか学んでいく。反面、その期待に上手く応えられないと自信喪失になって追い詰められていく。しかし、世の中考えてみたら、多くの目標は達成できるものではありません。多くの事が達成できず落胆して、それでももう一回と、立ち上がっていきます。そのようなプロセスを親と子が共有しないといけません。必ず期待は達成されると思うのではなく、出来なければ次に新しい期待をすればいい。そのようなプロセスの共有が親子の幸せではないでしょうか。

■離婚による子供への影響
残念ながら、両親が離婚に至るケースもあります。子どもにはどのような影響が考えられるでしょうか。

私自身も選挙の年齢と成人年齢、あるいは刑事責任の年齢を必ずしも一致させる必要はないと思います。成人年齢の引き下げについては憲法の改正の議論から始まっていますので、確かに将来の日本を担う方々の意見も反映する必要があり、これについては18歳でいいかもしれません。次に選挙権はどうなのか、成人年齢はどうなるのか。それから刑事責任の問題は、と分けてそれぞれ考えていくといいのかと思います。

成人の関連で言えば、現在婚姻年齢が、男性は18歳以上、女性は16歳以上と定められています。この婚姻年齢が男女で異なる国は、あまり多くありません。例えば、中国が男子22歳、女子が20歳と定めていますが、ほとんど年齢の差はあっても男女においては大体同年齢としています。さすがにこれは法務省の法制審議会も、現在では高等教育が事実上の義務教育化されていることや男女間で社会的・経済的熟度で差をつけることはほとんどないのではないかとしています。従って、年齢を議論する際には、婚姻年齢についても男女で合わせるべきではないかと言われています。

■現状の動きについて
現在では、まず先ほど述べた国民投票法と成人年齢をどうするのかという議論があり、また民法と選挙の年齢を切り離して議論をしようかという動きも出ていますので、そのような中で何らかの法改正の時に合わせて年齢の引き下げを行うことになると思います。

特に現在のわが国の離婚件数は多く、年間離婚件数は約25万組で、その6割近い夫婦に未成年の子どもがおり、その数は約24万人になります。欧米では、離婚後も定期的な子どもとの交流が一般的ですが、わが国では、離婚後の子どもへの面会で悩む親(特に男親)が増えています。そこで、昨年に民法を一部改正し、協議離婚の際に父母が協議して定めるべき事項に、「面会交流」と「養育費の分担」を加えました。さらにこれらを決める際には、「子どもの利益」を優先して考慮しなければならない旨を規定(第766条)しました。実は子どもにとっては親が離婚しても、両方が子どもの生活に関わった方が発育にいいのだと言われています。なかなか実現が難しい場合は、相談する支援センターや家庭裁判所も間に立ちますので、その後も子どもとの交流は大切にしてほしいと思います。

「子どもたちのメッセージ」は毎週日曜日17:25~40 ラジオ日本AM1422Hzで放送中です。(→番組ホームページ

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