8月12日 子どもたちへのメッセージ(第三十三回)の収録を終えて

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第三十三回のテーマは「家庭での教育」です。子どもの教育には、父親と母親それぞれの役割が重要ですが、それと同様に必要なのが高齢者の存在です。かつては三世代が同居していることは珍しくありませんでしたが、現状は離れて暮らしている事が多いかと思います。そこで地域の高齢者と協力することで、子ども達への教育をより豊かにする方法について、水谷さんと浜田は話しました。

■家庭の教育
皆様、こんにちは。参議院議員の浜田まさよしです。大津市の子どもの自殺について報道では大きく取り上げられました。この事件のあらましについて、まず説明したいと思います。

今週は家庭での教育について考えていきたいと思います。子どもが生まれた時、両親は勿論、周りの人たちも子どもたちが健やかに育ってほしいと願います。私自身も子どもが三人いますが、親としてこれでいいのかといつも迷っています。私たち大人は、子どもが生まれると同時に「親」になり始める努力をしなければならないと思います。そして親として周りの助けや教えによって支えてもらっているという謙虚な姿勢を忘れてはいけません。

子どもたちの人格形成というのは幼児期の教育が重要だと言います。その具体的な内容について水谷さんが説明しました。それは「たくさん愛を与えてあげる」こと。愛されているという自覚を持っている子どもは非常に強く育ちます。前回話したいじめの件でも、いじめに対し闘う事が出来ます。しかし、愛されていると思っていない子どもたちは非常に弱い。だから夜の街の誘惑に引っかかったりします。大人たちは子どもたちにできるだけ多くの愛を与えてあげること。もう一つは、子どもがこのような大人になりたいと思うように親が見本になることだと言います。

■父親の役割と母親の役割
親の影響というのは子どもたちに大きく関わりますが、父親の役割、母親の役割はそれぞれどう違うのでしょうか。

母親は子どもにとって「安心・安定感」、父親は「家庭をしっかり守る力」が重要だと思います。水谷さんからもありましたが、教育に関してはそれぞれ分業すること。子どもが何か悪さを行っても同時に怒るのではなく、片方が子どものフォローに回るなどして、バランスよい家庭環境を作ってほしいと思います。昔は、祖父母と同居していたので彼らがその役割を担っていましたが、現在では離ればなれの家族が多いのでそのような環境作りが難しくなっています。

■高齢者と子ども
高齢化社会の中で子どもや孫と一緒に住んでいない高齢者がたくさんいます。

ここで水谷さんから貴重な提言がありました。地域高齢者と子育てをマッチングさせるような政策についてです。高齢者が囲碁や将棋などを楽しめる居場所を作り、そこに地域の子どもたちがやってくるとまるで自分の本当の孫のように守ってくれる、このような新しい地域の在り方を是非お願いしたいと話しました。

そこで現在考えているのは、高齢者の施設と保育所を別々にするのではなくて、廃校などを用いて共同設営していくことです。家庭では祖父母は離れて暮らしていますが、そういう場所を通し、色々なことを子どもたちは学んでいく、そのような一つの「間」ができるのではないかと考えています。

実は横浜市で成功した例があり、いくつかの中学校の中に地域の高齢者の居場所を作っています。そこでは引きこもりの子どもたちが彼らに勉強を教わったり、非行傾向の子がそこで諭されたりと、子どもたちの復帰の場所となっている。子育てにおいて高齢者の存在はとても大切で、地域の高齢者にもっと協力してもらいたいですね。

■自主性と我がまま
最後に、「自主性の尊重」という言葉を聞きますが、この「自主性」と「わがまま」の線引きはとても曖昧です。家族やクラスなど周りの集団に受け入れられれば自主性、受け入れられなければわがままだと言われますが、とても難しいところです。

しかし、自分にとって何がしたいかはっきりと目標を持つことは子どもたちにとって重要です。よって、それを集団の目標と合わせる力、逆に集団の目標に対して自分の目標を発展させる力があれば両者が合致していくと思います。そのような力も家庭教育の中で育まれていくのかもしれません。

「子どもたちのメッセージ」は毎週日曜日17:25~40 ラジオ日本AM1422Hzで放送中です。(→番組ホームページ

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