ハマダレポート Vol.586.ー核兵器禁止条約をどう生かすかー

ハマダレポート Vol.586. 2021.4.5

ー核兵器禁止条約をどう生かすか(その1)ー

1月22日、核兵器禁止条約が発効し、核廃絶は第二段階に入りました。

核兵器禁止条約に対する公明党の考え方は、

日本は当面、核禁条約の締約国会合にオブザーバーとして参加し、唯一の戦争被爆国として積極的貢献を果たし、中長期的には日本が批准できるような安全保障環境を創出していく、というものです。

その背景などについて、国際NGOピースボート共同代表で、ICANの国際運営委員の川崎哲(あきら)さんと、対談を行いました(3月30日付け公明新聞3面)。

今回と次回のハマダレポートで、その内容をご紹介します。

核兵器禁止条約発効の意義は、「核兵器はいけない」という法規範が作られたことです。

一方で衝撃も走りました。

一つ目は核禁条約が核抑止を完全に否定したことです。

この結果、核の脅威にさらされている国と、そうでない国とでは核禁条約への賛否が割れました。この分断を防ぐためには、核抑止によらない安全保障を議論する場を日本が用意し、橋渡し役を担うべきです。

すでに政府は2017年に、核保有国、非保有国双方の有識者による「実質的な核軍縮の進展のための賢人会議」を設置し、各国の政府関係者も交え、議論を積み上げています。

2月22日の衆議院予算委員会で、公明党の斉藤鉄夫副代表が、核抑止に替わる新しい安全保障論議を日本がリードしてはどうかと質問したところ、茂木外相は、「安定的な形で核に頼らずに、そういうことができるのは望ましい」「そういった検討は進めなければいけない」と一歩踏み出した答弁をしました。

二つ目の衝撃は、核軍縮が進んだ後に核廃絶があると考える、現在の核不拡散条約(NPT)での方法論ではなく、ゴールからのアプローチです。まず核兵器の禁止を決め、そこから必要となる検証制度などの議定書を作るという方法論です。

この方法論に日本は決して乗れないわけではないと思います。なぜなら日本は、2016年に、豪、加、独など中道国17カ国と共同で、進歩的アプローチという方法論を既に提案しているからです。

それは、核軍縮が進み、保有規模が最小化した時点で核廃絶の議論を始めるだけでなく、その前段階から核廃絶の議論は可能だというアプローチです。

つまり、日本が進歩的アプローチを進めることで、NPTの現状からのアプローチと、核禁条約のゴールからのアプローチの橋渡しとなると考えられます。

核兵器のない世界への「真の橋渡し」。浜田まさよし、さらに進めて参ります!

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