[No.1270]ハマダレポート Vol.150ー「東京家族」と東日本大震災ー

ハマダレポート Vol.150 2013.3.4
ー「東京家族」と東日本大震災ー

月1回、家事の片付けに妻が福島の宿舎に来てくれます。
そのお礼に、山田洋次監督の50周年記念映画「東京家族」、先日、福島駅前で観ました。

そのモチーフは、60年前の小津安二郎監督の「東京物語」。

瀬戸内海の小島で暮らす老夫婦が東京で生活を送る息子・娘に会い上京、高度成長の中でそれぞれの生活に忙殺される子どもたちと親とのきずなの断絶を、物静かな老父(笠智衆:りゅうちしゅう)を通じて描いた世界に誇る名作です。

当初、2011年4月にクランクインのはずが、その直前の3.11。「家族」の在り方が再び問われる中、山田監督は製作を延期。

書き直した脚本では、老父(橋爪功)から「ちゃらんぽらん」としか見えず親子きずなが主題となる次男(妻夫木聡)とその伴侶(蒼井優)との出会いの場は南相馬での被災地ボランティアという設定に。

また、老父が久しぶりに再会した旧友と居酒屋で酔って思わず家族への「本音」を語る場面。
「どっかで間違うてしもうたんじゃ、この国は・・・・」 山田監督が震災による中断の間に書き直したそうです。

しかし、ラストは原作と違い、妻の急死を乗り越えた老父の「希望」を感じさせる物静かなシーンです。彼の心の中で「きずな」の再構築ができたからなのでしょうか?それとも?(詳しくはご覧になってみてください)

ハマダレポートも今回で150回を記することができました。ここまで続けてこられたのも、皆様との「きずな」のおかげ!

東日本大震災から2年、再び問われている家族の「きずな」。その力を復興の原動力に、浜田まさよし、取り組んでいきます!



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