[No.856] 「ブログ100日」第67号ー世界の結核対策への日本の貢献ー

第67号(6月7日)ー世界の結核対策への日本の貢献ー

我が国は戦後、国民病といわれた結核を乗り越えてきた。しかしながら、その技術・経験による世界への貢献は不十分である。世界エイズ・結核マラリア基金には、今までに約130億円も拠出しておきながら、日本のNGOが活用しているのはその1%もない。一方、未だ世界では結核で年間180万人が死亡し、うち50万人はエイズとの二重感染である。実は結核は世界人口の3分の1約20億人が感染しており、エイズ患者は免疫力が弱いため発病しやすいのだ。この二重感染にはやっかいな問題がある。まず、コッホ以来の結核検査である患者の痰を培養して結核菌を顕微鏡で数えるという試験ではHIV感染者の診断率が20%未満である。また、結核治療の基本薬リファンピシンは主要なHIV薬と薬剤相互作用があるという。しかし、解決できる光はある。日本の企業が、結核菌のDNAをベースにした診断方法や既存HIV薬併用可能な新結核薬を今申請中・あるいは申請準備中である。まさに、日本の技術を活かした世界の結核対策への貢献、これからが正念場である。

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