家電住宅のエコポイント制度で遡及適用を実現(09年4月・12月)

09年4月10日(金)、政府・与党は経済危機対策を発表し、その中で、省エネ型家電(冷蔵庫、エアコン、薄型TV)の5%相当(リサイクルする場合はそのリサイクル費用として3%、薄型TVは地上デジタル対応の為さらに5%上乗せ)のポイントがつく「エコポイント」制度を発表。これらの3品目で家庭の電気使用量の6割(エアコン3割、冷蔵庫2割、テレビ1割)を占め、10年前のものを買い換えると消費電力量が半分になるという家庭における二酸化炭素削減の強力な推進策として、また、内需拡大策としてその効果が期待されました。

週明けの4月13日、浜田事務所に1枚のFAXが送られてきました。送り主は、神奈川電機商業組合の高橋勇理事長。内容は、「エコポイント制度が発表されてその効果を期待していたのに、この週末(11日、12日)に既存の予約のキャンセルが殺到。このままでは買い控えになるので7月という実施開始時期を大幅に早めて欲しい」という悲痛な叫びでした。

早速、浜田は環境省官房長に要請。しかし、17日(金)の時点では「これから制度設計し、実施団体も公募するので、やはり7月になってしまう」との役人的回答に終始する有様。
量販店は自社のポイント制が使えますが、町の電器屋さんにはそれができません。買い控えが長引けば、せっかくのエコポイント制度が逆効果になってしまう。そう考えた浜田は、週末に斉藤環境大臣と直談判。「事務方がエコポイント不正受給等の恐れがあり、遡及(さかのぼり)適用はできないと言っている。」との大臣の言に対し、「家電の保証書にはシリアル(連続)番号が付いているので不正防止は可能。家電の流通を担当している経済産業省は出身元なので私が直接説得する。よって事務方には遡及を引き続き検討するよう言い続けて欲しい」と要請しました。

一方、経済産業省に対しては、環境担当局長の自宅に電話。家電担当局長と至急遡及適用を検討して欲しいと要請しました。

週が明けての20日(月)の朝、経済産業省事務次官室での御前会議で「遡及適用」が決定し、詳細設計の検討が始まりました。この段階で、斉藤環境大臣から、二階経済産業大臣に再度遡及適用を要請し、その日の深夜11時過ぎ、「5月15日からの遡及適用開始。かつ、現時点(4月21日)からの予約販売も対象可」が決まったのです。

その後、冷蔵庫対象機種(省エネ基準★4つ以上)が400リッター以上といった大型機種しかないことも判明。この点についても業界からの要請を受け、小型の冷蔵庫でもそのクラス最高クラスの省エネ(★3又は★2つ)であれば、対象機にするよう斉藤環境大臣に直談判し、実現しました。

制度が始まって、5月中旬~6月下旬の遡及期間でさえ、家電販売の前年同月比は薄型TVは約3割、エアコン約2割、冷蔵庫が3割増と大幅に売り上げを伸ばし、その効果が立証されました。

また、政権交代後、鳩山内閣は12月8日に経済対策を発表しましたが、この大きな柱が住宅エコポイント。しかし、問題なのは、その適用が2010年の1 月1日からとなっていたのです。これでは年末までの住宅の契約がすべて年明けに延期され、頭金(省エネ住宅2000万円、頭金3割とすれば、600万円)が年来に入ってこなくなり、工務店の年越しが懸念されたのです。この点に気づいた浜田は、急遽提案し、12月8日の夕方に斉藤政調会長が平野官房長官に経済対策の申し入れする際に、「我々は家電エコポイントの導入で苦労した経験から、「住宅エコポイントの遡及適用を行うべきだ」と要求しました。これに対し、平野官房長官は「なるほどね」と応え、12月15日に「経済対策閣議決定の12月8日まで遡及」が決定、発表されました。


神奈川県電機商業組合高橋理事長よりヒアリング (2009/04/23)

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