新ハマダレポート Vol.27.ーリスクコミュニケーションについて対談(その8、最終回)ー

新ハマダレポート Vol.27. 2023.12.25

ーリスクコミュニケーションについて対談(その8、最終回)ー

8月6日に開催された、高村館長(東日本大震災・原子力災害伝承館)と、リスクコミュニケーションを中心とした対談について、第8回目のご報告です。今回が最後になります。

夏期集中セミナーで、リスクコミュニケーションを学ぶ学生さんたちにお伝えしたかったことは、今回のご報告の中で強調した「信頼関係」の重要性です。

リスクコミュニケーションは、決して、自分が学んだことを相手に単に伝える事ではありません。対する方が、何に不安を感じているのか、何に納得がいかないのか、その心を感じ取ることから始まります。

しかし、そのような相手の方の感じ方をお伺いするには、信頼関係がなくては、お聴きする事さえできないのです。

毎年の集いに世界の宗教・政治指導者が参加する、バチカンの「平和と対話のための聖エジディオ財団」で会長を務めるバルトリ博士が今月、来日され、東日本大震災・原子力災害伝承館をご案内しました。

語り部への傾聴を含め、2時間にわたり視察頂いた博士と一致した点は、「対話と信頼」の重要性でした。

今年の夏から、アルプス処理水の海洋放出が始まり、当初、風評被害が心配されましたが、IAEAなどの国際的科学者のネットワークのお力をお借りして、なんとか「信頼関係」が維持できていますが、このような「対話と信頼」の関係を、今後永年続けていかなければなりません。

さらに、中間貯蔵施設の除染土壌の減容化・最終処分も、これから本腰を入れて取り組まなければならない課題です。

福島の復興を担ってくれる次の世代に、今までの経験を引き継がなければと思っています。

そのようななか、復興庁参事官として、東日本大震災でご家族を亡くされたご遺族の話に耳を傾け、「復興政策10年史」を取りまとめた西園勝秀さんが、次の衆議院選挙で、公明党の予定候補として出馬するとお聞きしました!

私が応援に入らせて頂く日の数日前、高校の同級生でもある夜回り先生・水谷修さんから、興奮した電話がありました。

「西園さんは凄い人だね。弱い立場の人の心が分かる」

小さいころから経済的に苦労をし、新聞奨学生として販売店に住みこんで大学に進学した、彼の生い立ちが、応援に行った水谷さんにそう言わしめたのだと思います。

永年を要する復興のタスキを引き継ぐためにも、明年も全力を尽くして参ります!

P.S.福島・双葉に移住し再開して1年。今年最後の新ハマダレポートとなります。この1年間お世話になりました。よいお年をお迎えください。

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