9月23日 子どもたちへのメッセージ(第三十九回)の収録を終えて

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今週は、日本からの留学生が減ってきている中、「世界に目を向けよう」というテーマで、学生時代に世界各国を巡った水谷修さんと語り合いました。

■日本の海外留学生の減少
皆様、こんにちは。参議院議員の浜田まさよしです。今週は「若い時代での海外経験」について考えます。近年、日本からの留学生は減少しています。ピークは2004年の約8.3万人ですが、2009年には約6万人(前年比10%減)となっています。

日中米韓の4か国の若者の留学意識を調べたアンケートによれば、海外留学を希望する割合が、日本は46%で最低、最も高いのが韓国で82%(中国58%米国53%)となっています。「希望しない理由」については、日本では「経済的に困難」が最も低く、「めんどうだから」とか「日本がいい」「国内がいい」という、内向きな理由が他国より多くなっていることが気になります。

■留学経験を評価する社会へ
水谷さんは、留学生がその後帰国して就職した場合、中国・韓国では海外での留学経験、特に理系のIT分野などにおいてはそのキャリアが評価され、見合った待遇がなされるのに対し、日本の場合には、その期間と費用に見合った評価・待遇がなされていない現状を指摘します。

確かに、日本の古い会社文化でみられる、「同質性」を求め、「異質」になりがちな留学生を敬遠する風潮や 新卒者偏重、3年生から始まる「就職戦線」が、結果的に学生の留学の機会を奪っている現状を変えなければいけないと思いました。

■海外経験で得られるもの
学生支援機構のアンケートによれば、「語学力」「国際感覚」よりも。「視野が広がったこと」が上位にあげられています。

水谷さんはドイツに留学した際に訪れたスペイン・マドリッドのユースホステルでアルゼンチンからの学生に、「マドリッドは本当にきれいな街だね」といったとき、その学生から「それはわが国から金銀を持ち去った上にこの繁栄があった」と言われてハッとしたそうです。その友人とは今でも連絡を取り合っているとのこと。

私は、通産省時代の95年から98年、スイスのジュネーブで勤務しましたが、留学経験がなかったので語学では大変苦労をしました。しかし、ブロークンな英語でも、話すことに内容があれば相手はしっかり聞き取る努力をしてくれる、しっかりいうべきことを言えばいいということがわかり、その3年間で外国人にどぎまぎしないという度胸だけは身に付きました。

■海外を目指す若者へのメッセージ
水谷さんは、先日ルーマニアで女子学生が命を落とした事件があったことを例に挙げ、まず、しっかりとした危機管理の重要性を指摘しました。その上で、欧米の若者はバランスよく海外を見て回っている現状を上げ、1977年に横浜港からハバロフスク・ナホトカにわたりシベリア鉄道でモスクワにわたった自身の時代と比べて、費用・時間的に海外渡航が容易になっていることから、欧米だけとか、途上国だけといった特定の地域だけでなく、幅広く世界を見てほしいと訴えました。

私からは、日本の学校になじめなかったり、勉強に嫌気がさしている子どもたちがいたら、思い切って世界に出てみて、外から日本を見直すことも一つの方法。学生支援機構の奨学金制度もあります。世界には多様な見方、多様な学校があることをメッセージとして送りました。

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