新ハマダレポート Vol.30.ー東日本大震災から能登地震への教訓(その1)ー
2024/02/05
新ハマダレポート Vol.30. 2024.2.5
ー東日本大震災から能登地震への教訓(その1)ー
先日、ある新聞社から、標記のテーマでインタビューを受けました。
能登地震発災から1カ月が過ぎ、ようやく停電が解消されたものの、水道の復旧にはあと1から2カ月を要し、石川県だけでも未だ1万4千人もの方が避難所に避難されています。今後、道路や街並み、漁港などの復旧には年単位の期間がかかると言われています。
改めて、亡くなられた方々のご冥福をお祈りしますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。さらに、連日、復旧や被災者支援にご尽力いただいている皆様に感謝申し上げます。
不自由な避難生活が1か月を過ぎ、多くの方々が疲労の極限の中で、将来への不安を抱えた日々を送っておられます。
東日本大震災の教訓から学ぶべきことは、先ず、災害関連死をいかに防ぐかです。
福島で亡くなられた4千名の約半数が災害関連死だったのです。
その意味では、現在避難されている方々の避難の長期化・二次避難について考えると、持病の悪化への対応や介護、心のケアなど、被災者の個々のケースに応じた細心の注意が必要です。
復興副大臣だった6年前に福島県富岡町に開院した双葉医療センター。現在、24時間365日、浜通りに救急医療を提供しています。
先週の1月29日、石川県の要請に応じ、この双葉医療センターから、多目的医療用ヘリを派遣しました。道路寸断の能登地域において、医療従事者や医療用資機材などの搬送に当たります。
また、長引く避難生活の中でも災害関連死を防ぐためには、仮設住宅や災害公営住宅の在り方も考え直さなければなりません。
福島では、画一的なプレハブ仮設により、結果的に「核家族化」「要介護化」が進み、また、災害復興住宅に移られても、「孤独・孤立」を招いてしまいがちであったことへの改善策が求められています。特に、家族を亡くされた方への心のケアは長期的に求められます。
また、震災直後、家族がパニック状態にある中で、子どもたちは家族に余計な心配をかけないようにと、「平静」に振る舞いがちです。さらに今回、子どもたちの「集団避難」も行われています。
発災後1カ月がたった今、そのような方々の胸の中から「思い」を吐き出させてあげなければ、中長期的な弊害が懸念されます。
一方、他の自治体からの応援職員への心のケアも必要です。慣れない土地で、慣れない仕事・・・・。
被災者と地元行政のはざまの中で、東日本大震災では、応援職員2名が自死するという痛恨の事態を招きました。
その教訓をなんらかの形で生かしてほしいと、応じさせて頂いたインタビュー。
新ハマダレポート次号では、「復旧の段階で復興を意識することの重要性」について、お話ししたいと思います。
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