独立行政法人整理合理化推進で私のしごと館及び雇用能力開発機構の廃止を決定(05年2月)

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05年2月、行政監視委員会の理事として、独立行政法人・雇用能力開発機構が京都府に設置した「私の仕事館」を視察。この施設は04年3月に35,000m²でオープンしたものですが、その建設費581億円と年間経費15億円という巨額な国費が投入されているものです。

この「私のしごと館」の事業内容ですが、仕事に触れて体験するということを特色とし、美容師、栄養士、機械工作など40種類以上の職業体験ができるものとなっています。このため、プロの職業人の配置など運営費がかさむ体制となっているのが難点。しかも、その特色である職業体験自体もせいぜい数時間で、修学旅行の立ち寄り場所としてはほど良いかもしれませんが、若者にとって実際の職業選択に役立たないのではないかというのが率直な私の感想でありました。今の若者に必要な職業体験というのは、カルチャーセンターで受ける講習のような軽いものではなくて、むしろ実際の工場やお店で一定期間働いてみることではないでしょうか。

現場を訪問してのこのような私の実感から、「私の仕事館」さらには巨大組織である独立行政法人・雇用能力開発機構の「廃止」に向けての浜田の闘いが始まりました。

先ず、視察直後の05年3月、行政監視委員会で、「私の仕事館」の運営方針について取り上げ、例えば、今既に始めているインターンシップとか、学生が実際に企業に行くという、またトライアル雇用、若者が一定の期間試しに働いてみると、そういうものの連携など、若者の実際の雇用に直結する事業へと見直していくことを提案。しかし、十分な改善がその後、進展していませんでした。

一方、07年11月、決算委員会で、雇用能力開発機構が運営する雇用促進住宅の管理、修繕業務として、公益法人の雇用振興協会に毎年300億円以上を随意契約している問題を追及。この財団の常任理事、監事4名はすべて天下り、職員703名のうち約2割の149名が天下り。しかもこの随契300億円の 78%が再委託になっているということで改善を要求。舛添厚生労働大臣は「貴重な御提言賜りましたことを受けて、きちんと検討させていただきます。」と明快な答弁を引き出しました。

さらに、浜田は党特殊法人等改革委員会の事務局長として、07年12月の独立行政法人の整理合理化計画の策定に参画。同計画の中で、雇用能力開発機構については、改善要求項目が多いことから1年後に組織の存廃を含めて検討することを明記させました。

その1年後の08年12月18日、党特殊法人等改革委員会と厚生労働部会は合同会合を開催し、その後の改革が十分に進展していないことを踏まえ、「私の仕事館」の即時廃止のみならず、雇用能力開発機構自体についても、「法人は廃止、組織は解体、機能は整理」を求めました。これらを受けて、暮れの押し詰まった12月24日、甘利規制改革担当大臣と舛添厚生労働大臣はその方針をおおむね受け入れ、「私の仕事館」は遅くとも2010年8月までに廃止、機構本体の法的措置は2010年度末までを目途に行うことが決定しました。ついに、巨大組織である独立行政法人・雇用能力開発機構の廃止が実現しました。振り返れば、3年10ヶ月にわたる闘いでありました。


私の仕事館 (2005/05)

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