新ハマダレポート Vol.29.ーパーフェクトデイズー

新ハマダレポート Vol.29. 2024.1.22

ーパーフェクトデイズー

年末年始に横浜に戻り、久しぶりに妻と映画「パーフェクトデイズ」を観に行きました。

昨年、第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、主演の役所広司さんが日本人俳優としては「誰も知らない」の柳楽優弥さん以来、19年ぶり2人目となる男優賞を受賞した話題作です。

監督は、小津安二郎作品を敬愛するドイツの名匠ビム・ベンダース氏。

東京・渋谷区内17カ所の公共トイレを、世界的な建築家やクリエイターが改修する「THE TOKYO TOILET プロジェクト」に賛同したベンダース氏が、東京、渋谷の街、そして同プロジェクトで改修された公共トイレを舞台に描いたものです。

東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山(役所広司)。淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえますが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちているのです。

昔から聴き続けている音楽を愛し、仕事を終えた後に銭湯でひと風呂を浴び、地下街の飲み屋でのお決まりのセットを飲みほした後、寝床で古本の文庫を読みまどろむという日常性を楽しみにしているのです。

そんなある日、姪との思いがけない再会をきっかけに彼の過去に少しずつ光が当たり、木漏れ日のような揺らぎが生活にもたらされます・・・・。

平山の過去はどのようであったのかは明確に描かれていませんが、彼が一瞬に見せる苦悩の表情からその壮絶さが窺い知れます。

それでも、平山のカーステレオから流れるのは、「FEELING GOOD」。

“夜が明けて、新しい一日が始まる、私は私の人生を生きる。最高の気分!”

限りなき日常性を突き抜け、ささやかな新たな発見に感謝する毎日・・・・。

第三の人生をスタートさせた私にとって、とても感慨深い作品となりました。

先週、3か月ごとの前立腺癌の全摘出手術後の定期健診がありました。上昇していた癌マーカーの値がやっと安定し、ホルモン療法などはもう少し様子を観ることとなりました。

目に鮮やかな紅葉は、木々の葉が限りある命の時間のなかで、自分を精一杯に燃やして生きようとする姿だとされています。

一日一日の「パーフェクトデイ」の積み重ね、心がけて参ります!

 

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